【完】嘘から始まる初恋ウェディング

「まあ、すっごく美味しいですわ…!」

その日の昼休憩。彼女は珍しく母親のお弁当を断っていた。
それは、俺と一緒に俺の’行きつけ’のランチのお店に行きたいと言ったからだ。

そしてここは、立ち食い蕎麦屋である。 周りは時間が一秒でも惜しいサラリーマンや、作業服を着た土木作業員。 はたまた汚ねぇ恰好をしたいかにもニートのパチンカスなど。

お上品な格好をしていて、立ち振る舞いの優雅なルナには全く似つかわしくないお店だ。


はやい、安い、うまい、が売りの立ち食い蕎麦屋は、よく仕事の合間に利用していた。
ちょっとした意地悪で連れて来たつもりが、何故か逆にルナを喜ばせてしまう形になってしまう。


「立って食べるなんて、斬新ですわね。 でもすっごく美味しい。麺がもちもちしていますわね」

「ハハハ、僕のお勧めのお店なんで」

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