【完】嘘から始まる初恋ウェディング

厳格な父親は顔を真っ赤にして、怒りに震える。
ルナも相当変わっているが、この男もやっぱり頭が少しおかしい。
お金持ちというのはどこかたかが外れている。

「あのー…俺に身辺警護頼むより興信所でプロに頼んだ方が早くないっすかあ?」

あ、ついつい’俺’って言っちゃったよ。この親子に関わると、調子が狂う。

「興信所には既に調査を依頼しているんだよッ。しかしめぼしい人物は見つからず…。
ルナには親しくしている男なぞいないし、一体誰なんだ…」

「なる程…」

「はあ、頭が痛い。 今にも熱が出そうだ。
白鳥くん引き続きルナの警護を頼む。 それにしても君は何やら社内で評判がとても良いそうではないか。
特に女性社員がキャーキャー騒いでいる」

「はぁ…まあ…。 パソコンでの業務は、父の会社でも頼まれたりしていますから。
企画会議とかも適当にやってますが、結構楽しいもんですねぇ。ゲームみたいで」

ゲーム、と言ったら社長の眼光が鋭く光る。

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