【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「まあ、上手くやってくれているのならばそれで良い。
しかし君は尊によく似ている。 幼馴染で一緒に遊ぶ仲間たちの間でも、尊は人気者でなぁ~。
昔からがさつだったけれど、明るくて、気が付けば周りに人が集まっていた。」
…今はただのギャンブル狂いのジジイだが…。
取り合えずルナから目を離さずに護衛してくれと社長には頼まれた。 どうにかこうにか犯人?を見つけ出し、早く元の生活に戻りたい。
飯は旨いし、豪勢な家に住めるのも悪くはないが…、ジュリエットに懐かれるのも勘弁だし、ロミオはクソ可愛くないし
それに…ルナお嬢様にガチ恋でもされたらたまったもんじゃない。 あくまでも今の俺は虚像だ。 あの手のタイプに恋をされたら、面倒くさい事になるに違いないのだ。
社長室から出ると、大きなため息が漏れる。 あー…ダルイ…。
そんな事を考えながら社内を歩いていたら、前からルナの姉であるレナが歩いてくる。
綺麗な癖に、気の強い眼差し。男顔負けで社内では仕事が出来るこの女と、あのほんわかしたのろまなルナが姉妹とは到底思えないが。 こいつとは、気が合わない。
すれ違いざま、にこりと微笑んで頭を下げると、レナは生意気そうな視線をこちらへぶつける。