【完】嘘から始まる初恋ウェディング

「本当にどういうつもりなのかしら」

「お疲れ様です、レナさん。 何の事ですか?」

レナの表情はよく変わる。 クールかと思えば、激情家で分かりやすい程俺を敵視する。

ルナも表情が豊かな女だ。 赤くなったり、青くなったり、すぐにあたふたして、ちょっとした事ですぐに泣きそうになる。

種類は違えど、何でも顔に出る所は姉妹似ているのかもしれない。

「気安くレナさんなんて呼ばないで下さる?」

マジでこういう生意気な女は泣かせてやりたい。

にこりと微笑みは崩さぬまま、彼女にじりじりと近づく。 すると、少しだけ後ずさってキッとこちらを睨みつける。

「けれど、社内には桜栄さんが二人もいるので」

「それでもあなたに名前で呼ばれる筋合いはないわ。
…それに、何を考えているのよ。 今日もルナと一緒にランチに行ったんですって?ルナが嬉しそうに話していたわ。
一体どういうつもりなの?!」

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