【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「どういうつもりも何も、ルナさんのご希望ですので」
「ルナはとても純粋な子なのッ!あなたとは違うのよ!ルナを騙したりしたら承知しないんだから!
何が目的で近づいているのかは知らないけれど、あの子を傷つけるような事があれば私が許さないんだから!」
気の強い女は嫌いじゃない。
彼女へとじりじりと近づき、指で唇を掴む。 レナの華奢な体はぶるぶると震えていた。
虚勢をはるのは大いに結構だが、所詮はこいつもお嬢様育ち。 「止めてよッ」と手で指は振り払われて、頬を真っ赤に染める。
「目的も何も…僕は桜栄家にお世話になっている身ですので、騙すなんて人聞きの悪い事を仰いますね」
「気安く触らないで頂戴!
あんたは、信用ならないのよッ! 私はルナやお母様達のように鈍感じゃないわ!
いくら猫を被っていようと、あんたがどんな人間かは分かるわ…!
私をただのお嬢様だと思って舐めないで頂戴!ルナとは…違うわ…」