乙女チック同盟~私と学園の王子様のヒミツの関係~
私たち、もしかして、カップルだと思われてる??
ひゃあっ。
そっか。確かに男女コンビだとそう思われるか。
ど、どうしよう。
彼氏はカッコイイのになんで彼女はあんな地味な女なんだとか思われてそう……。
「あ、始まるよ」
ブザーが鳴り、辺りが暗くなる。
コツン。
「あ」
すると、肘かけに置いた手と手が一瞬触れ合う。
ひゃ……ひゃあああっ!!
身体中に熱湯が流れたみたいに体が熱くなった。
「あ、ごめん」
特に慌てた様子もない八乙女くんの声。
「こ、こっちこそごめん」
そうだよね、こんな事で意識するほうがおかしいよね。
せっかくの姫小路先生の映画。映画に集中しなきゃ!
***
映画は前評判通り、ちょっと悲しい泣けるラブストーリー。
だけと主人公とヒロインのピュアな思いがグッと胸に刺さって、最後には思わずホロリとしてしまった。
「良かったね、八乙女くん……」
映画が終わり、明るくなると同時に横に座ってい八乙女くんの顔を見てドキッとする。
八乙女くんの少し緑がかった茶色の目が、心なしかちょっぴり潤んでる。
ひゃあっ、キレイ。
まるで宝石みたい……。
「や、八乙女くん、大丈夫? 泣いてるの?」
「な、泣いてねーよ」
強がる八乙女くん。
だけどその顔は、目も潤んでるし、鼻も耳も少し赤くなってて――。
不覚だけど、ちょっぴり可愛いって思ってしまった。