乙女チック同盟~私と学園の王子様のヒミツの関係~
6.八乙女くんからのプレゼント
そして、次の日曜日。
「ほら、このお店だよ」
八乙女くんが青い屋根に白い壁のオシャレなお店を指さす。
「わあ、可愛い」
まるで小人が住んでるお家みたい。
「だろ? 若菜さんも好きだと思ってさ。入ろうぜ」
「うん!」
私たちは、青い屋根のお店のドアを二人で開けた。
今日の乙女チック同盟の活動は、駅前に新しくできたという雑貨屋さんに行くこと。
先週の日曜日はカラオケ、その前はカフェ。
なんだかここ最近、毎週のように八乙女くんと出かけてるなあ。
まあ八乙女くんは趣味も合うし、優しくていい人だし、良いんだけどさ。他に約束があるわけでもないし。でも――。
チラリと八乙女くんの整った横顔をのぞき見る。
八乙女くん、一体どういうつもりで私の事誘ってるんだろう。
いくら乙女チック同盟を組んでるからって、男の子と女の子が二人っきりで遊びに行くのって、そんなに普通なことじゃ……ないよね?
八乙女くんがクルリと振り返る。
しまった。八乙女くんのことをじっと見てたの、バレたかも。
「ん、どうしたの、若菜さん。何か良いものでもあった?」
慌ててブンブンと首を横に振って笑顔を作る。
「う、ううん。八乙女くんは何か買うの?」
「うん、俺はこのブックカバーが良いかなって」
八乙女くんが若草色のブックカバーを手に取る。
「わあ、可愛い。私もちょうどブックカバー欲しかったんだよね」
「本当? じゃあおそろいにする?」
おそろい――。
いや、さすがにそれは。
私は八乙女くんが手に取ったブックカバーの隣にあった色違いを手に取った。
「じゃあ私は、こっちの桜色のにしようかな」
「いいね、色違い」
二人でレジに並ぶ。
私が先に会計を済ませ、八乙女くんを待っていると、ふとレジの横にあった白いお花のピンが目に止まった。
わあっ、可愛い。
これは……マーガレットがモチーフなのかな?
小さくて可憐な花に、胸がキュンと高鳴る。
でも、ちょっと学校につけて行くには派手かな?
うーん。
これ一個だけだったら買いたいけど、でも今日はもうブックカバーも買っちゃったし、これ以上買うと買いすぎかな。
「それ、欲しいの?」
私がアクセサリーの棚の前で悩んでいると、八乙女くんがお花のついたピンを手に取った。
「わあ、可愛いね。これ、絶対に若菜さんに似合うよ」
「そ、そうかな。でも、派手すぎない?」
「全然大丈夫だよ。これより派手なの付けてる子、たくさんいるし」
でもそれって、クラスの中心のキラキラした子だから似合うんでしょ。
私みたいな目立たない女子がつけてたら変だよ――という言葉を飲みこみ、笑顔を作る。
「うん……でも今日は買いすぎだし、やっぱりやめようかなって」
私はピンを棚に戻した。
「ふーん」
すると八乙女くんがレジの方に歩いていった。手にはさっき私が棚に戻したピン。
「えっ、あの」
「いいよ、買ってあげる。いつも俺に付き合ってくれるお礼」
八乙女くんはすました顔で言った。
えっ……ええ!?
「あ、ありがとう……」
ど、どうしよう。八乙女くんに買ってもらっちゃった。
「ほら、このお店だよ」
八乙女くんが青い屋根に白い壁のオシャレなお店を指さす。
「わあ、可愛い」
まるで小人が住んでるお家みたい。
「だろ? 若菜さんも好きだと思ってさ。入ろうぜ」
「うん!」
私たちは、青い屋根のお店のドアを二人で開けた。
今日の乙女チック同盟の活動は、駅前に新しくできたという雑貨屋さんに行くこと。
先週の日曜日はカラオケ、その前はカフェ。
なんだかここ最近、毎週のように八乙女くんと出かけてるなあ。
まあ八乙女くんは趣味も合うし、優しくていい人だし、良いんだけどさ。他に約束があるわけでもないし。でも――。
チラリと八乙女くんの整った横顔をのぞき見る。
八乙女くん、一体どういうつもりで私の事誘ってるんだろう。
いくら乙女チック同盟を組んでるからって、男の子と女の子が二人っきりで遊びに行くのって、そんなに普通なことじゃ……ないよね?
八乙女くんがクルリと振り返る。
しまった。八乙女くんのことをじっと見てたの、バレたかも。
「ん、どうしたの、若菜さん。何か良いものでもあった?」
慌ててブンブンと首を横に振って笑顔を作る。
「う、ううん。八乙女くんは何か買うの?」
「うん、俺はこのブックカバーが良いかなって」
八乙女くんが若草色のブックカバーを手に取る。
「わあ、可愛い。私もちょうどブックカバー欲しかったんだよね」
「本当? じゃあおそろいにする?」
おそろい――。
いや、さすがにそれは。
私は八乙女くんが手に取ったブックカバーの隣にあった色違いを手に取った。
「じゃあ私は、こっちの桜色のにしようかな」
「いいね、色違い」
二人でレジに並ぶ。
私が先に会計を済ませ、八乙女くんを待っていると、ふとレジの横にあった白いお花のピンが目に止まった。
わあっ、可愛い。
これは……マーガレットがモチーフなのかな?
小さくて可憐な花に、胸がキュンと高鳴る。
でも、ちょっと学校につけて行くには派手かな?
うーん。
これ一個だけだったら買いたいけど、でも今日はもうブックカバーも買っちゃったし、これ以上買うと買いすぎかな。
「それ、欲しいの?」
私がアクセサリーの棚の前で悩んでいると、八乙女くんがお花のついたピンを手に取った。
「わあ、可愛いね。これ、絶対に若菜さんに似合うよ」
「そ、そうかな。でも、派手すぎない?」
「全然大丈夫だよ。これより派手なの付けてる子、たくさんいるし」
でもそれって、クラスの中心のキラキラした子だから似合うんでしょ。
私みたいな目立たない女子がつけてたら変だよ――という言葉を飲みこみ、笑顔を作る。
「うん……でも今日は買いすぎだし、やっぱりやめようかなって」
私はピンを棚に戻した。
「ふーん」
すると八乙女くんがレジの方に歩いていった。手にはさっき私が棚に戻したピン。
「えっ、あの」
「いいよ、買ってあげる。いつも俺に付き合ってくれるお礼」
八乙女くんはすました顔で言った。
えっ……ええ!?
「あ、ありがとう……」
ど、どうしよう。八乙女くんに買ってもらっちゃった。