乙女チック同盟~私と学園の王子様のヒミツの関係~
そして放課後、女子たちの刺すような視線を浴びながらも、私と八乙女くんは一緒に下校することになってしまった。
「大丈夫? あれから雪乃さんたちに変なことされてない?」
心配そうに私の顔を見つめてくる八乙女くん。
「うん、大丈夫だよ。あれからは何もない」
「そう、それなら良かった」
ホッと息を吐く八乙女くん。
「でもまさかマネージャーがあんなことするとは思わなかったよ。仕事熱心で良い子だと思ってたのに」
うんうん、八乙女くんにとってもショックだよね。信頼していたマネージャーがあんなことをするだなんて。
「あ、ここ。私の家だから」
そうこうしているうちに、家につく。私の家、結構学校から近いんだ。
バイバイ、と手を振り別れようとした時、八乙女くんが私の腕を掴んだ。
「若菜さん」
「へ、へっ!? な、何!?」
真剣な瞳。胸がバクバクと鳴る。
「いや――あのさ、乙女チック同盟の活動のことだけどさ」
乙女チック同盟のこと?
「どうしたの? どこか行きたい所でもあるの?」
「うん、色々あるよ。でもさ……また二人で外に出歩いて、あれこれウワサを立てられたら困るじゃん?」
あ。
そっか。
そうだよね、八乙女くんの好きな人にもウワサが届いちゃったら困るよね。
だから――もしかして、二人で遊ぶのはこれで終わりにしようっていうことかな?
乙女チック同盟も……解散かな?
胸がきゅうんと締め付けられる。
やだな。
私、思っていたよりもずっと乙女チック同盟の活動、楽しみにしてたみたい。
そう思っていると、八乙女くんの口から信じられない言葉が出た。
「うん。だからさ、次の日曜日は俺の家に遊びに来ない?」
え?
八乙女くんの……家!?