乙女チック同盟~私と学園の王子様のヒミツの関係~
20.八乙女くんとリレー
「いやー、バレー惜しかったな!」
「ねー、でも準優勝でも凄いよね!」
「女子は優勝だし、クラス別順位、結構良い所につけてるんじゃねーの?」
バレーボールの試合が終わり、八乙女くんたち男子がゾロゾロと体育館から出てくる。
結局、うちのクラスの男子バレーは準優勝という結果。
だけど、クラス別の総合順位を見てみると、うちのクラスは三年C組に継いで二位につけてる。
ラストのリレーで一位になれば、体育祭の総合優勝も狙えるかもしれないってことで、クラスメイトたちは盛り上がってる
ちなみに、うちのクラスはトップバッターが恭介くんで、アンカーが八乙女くん。
八乙女くん、アンカーだなんてすごいな。運動神経良いもんね。
でも責任重大で大変そう。大丈夫かな。
「あ」
私がじっと見つめていたのがバレたのか、八乙女くんがこっちに走ってくる。
「若菜さん、頭は大丈夫?」
「う、うん。大丈夫」
どうしよう、まともに八乙女くんの顔が見れない。
「――あのさ」
「あ、あのねっ」
何か言おうとした八乙女くん。
きっと保健室で話してた告白についてのことに違いない。
そう思った私は咄嗟に言葉をかぶせた。
「バレーの試合、最後の決勝だけだったけど、見たよ。八乙女くん、すごくカッコ良かった!」
八乙女くんはキョトンと目を見開いたあと、頬をポリポリかきながら笑った。
「……ありがとう。負けちゃったけどね」
「何言ってるの。準優勝でもすごいよ!」
「うん」
八乙女くんは下を向き、少しの間何かを考えた後、顔を上げて私をじっと見すえた。
「でも、リレーでは絶対優勝する。優勝して――」
「おーい、八乙女、出番だぞ!」
遠くから男子に呼ばれ、八乙女くんは振り返る。
「ごめん、それじゃ、俺、行くから」
「うん、頑張って」
私は笑顔で八乙女くんを見送ったあと、じっとグラウンドの土を見つめた。
……優勝して、それから八乙女くんはどうするんだろう。
やっぱり、告白するのかな。
ギュッと胸が張り裂けそうに痛い。
八乙女くんを応援するって決めたのに、せつなさで胸が破裂しそうだよ。
「ねー、でも準優勝でも凄いよね!」
「女子は優勝だし、クラス別順位、結構良い所につけてるんじゃねーの?」
バレーボールの試合が終わり、八乙女くんたち男子がゾロゾロと体育館から出てくる。
結局、うちのクラスの男子バレーは準優勝という結果。
だけど、クラス別の総合順位を見てみると、うちのクラスは三年C組に継いで二位につけてる。
ラストのリレーで一位になれば、体育祭の総合優勝も狙えるかもしれないってことで、クラスメイトたちは盛り上がってる
ちなみに、うちのクラスはトップバッターが恭介くんで、アンカーが八乙女くん。
八乙女くん、アンカーだなんてすごいな。運動神経良いもんね。
でも責任重大で大変そう。大丈夫かな。
「あ」
私がじっと見つめていたのがバレたのか、八乙女くんがこっちに走ってくる。
「若菜さん、頭は大丈夫?」
「う、うん。大丈夫」
どうしよう、まともに八乙女くんの顔が見れない。
「――あのさ」
「あ、あのねっ」
何か言おうとした八乙女くん。
きっと保健室で話してた告白についてのことに違いない。
そう思った私は咄嗟に言葉をかぶせた。
「バレーの試合、最後の決勝だけだったけど、見たよ。八乙女くん、すごくカッコ良かった!」
八乙女くんはキョトンと目を見開いたあと、頬をポリポリかきながら笑った。
「……ありがとう。負けちゃったけどね」
「何言ってるの。準優勝でもすごいよ!」
「うん」
八乙女くんは下を向き、少しの間何かを考えた後、顔を上げて私をじっと見すえた。
「でも、リレーでは絶対優勝する。優勝して――」
「おーい、八乙女、出番だぞ!」
遠くから男子に呼ばれ、八乙女くんは振り返る。
「ごめん、それじゃ、俺、行くから」
「うん、頑張って」
私は笑顔で八乙女くんを見送ったあと、じっとグラウンドの土を見つめた。
……優勝して、それから八乙女くんはどうするんだろう。
やっぱり、告白するのかな。
ギュッと胸が張り裂けそうに痛い。
八乙女くんを応援するって決めたのに、せつなさで胸が破裂しそうだよ。