想妖匣-ソウヨウハコ-
「貴方の記憶をいただきます」
最近は試合が近いため、バスケ部のメンバーは練習により一層力が入っていた。
レギュラーメンバーは既に決まっており、そのメンバーには麗と巴が入っている。二人は普段から仲が良く、連携も取れておりベストパートナーとなっていた。
「今年は絶対に勝てるよ!」
「うん! 頑張って勝とうね麗、 巴!」
「はい!」
「当たり前よ!」
レギュラーメンバーは、みんなで円を作り肩を組んで気合を入れていた。そんな中秋は、体育館の端でまた巴に押し付けられたボールの片付けなどをしている。
「どうして麗ばっかりなのよ……。でも、麗が居なければ、私は一人に……」
楽しそうに話している麗を横目で見ながら、秋は呟く。両手で持っているボールに力が籠っており、指先が白くなっていた。
「秋?」
麗の声に秋はハッとなり、声のした方へ勢いよく振り向いた。
「え、どうしたの」
「いや、最近元気ないけど大丈夫? 無理して部活に出なくても大丈夫だと思うんだけど」
いつの間に先輩達の輪から抜けていた麗が心配そうな目を向け、秋の肩に手を伸ばしながら声をかける。だが、麗の言葉にいら立ちが募り、余計な事を言う前にするりと彼女の手を逃れた。
「大丈夫だよ。気にしないで」
私なんて必要ない。そう言われたように思い、秋は込み上げてくる怒りと悲しみを抑えつけ、早口で言い俯きながらその場を離れた。
「……秋」
足早に去ってしまった秋に麗は眉を下げ顔を逸らし、練習に戻って行った。
レギュラーメンバーは既に決まっており、そのメンバーには麗と巴が入っている。二人は普段から仲が良く、連携も取れておりベストパートナーとなっていた。
「今年は絶対に勝てるよ!」
「うん! 頑張って勝とうね麗、 巴!」
「はい!」
「当たり前よ!」
レギュラーメンバーは、みんなで円を作り肩を組んで気合を入れていた。そんな中秋は、体育館の端でまた巴に押し付けられたボールの片付けなどをしている。
「どうして麗ばっかりなのよ……。でも、麗が居なければ、私は一人に……」
楽しそうに話している麗を横目で見ながら、秋は呟く。両手で持っているボールに力が籠っており、指先が白くなっていた。
「秋?」
麗の声に秋はハッとなり、声のした方へ勢いよく振り向いた。
「え、どうしたの」
「いや、最近元気ないけど大丈夫? 無理して部活に出なくても大丈夫だと思うんだけど」
いつの間に先輩達の輪から抜けていた麗が心配そうな目を向け、秋の肩に手を伸ばしながら声をかける。だが、麗の言葉にいら立ちが募り、余計な事を言う前にするりと彼女の手を逃れた。
「大丈夫だよ。気にしないで」
私なんて必要ない。そう言われたように思い、秋は込み上げてくる怒りと悲しみを抑えつけ、早口で言い俯きながらその場を離れた。
「……秋」
足早に去ってしまった秋に麗は眉を下げ顔を逸らし、練習に戻って行った。