想妖匣-ソウヨウハコ-
「さてと、いいか? 俺がこれからやる事はまず――――」
「細かな説明なんていらないわよ!! それをやれば私は試合に出られるんでしょ?! なら何でもいいわよ!!」
「…………本当にいいんだな?」
「何度も同じ事を言わせないで!! 早くやりなさいよ!!」
「そうか、なら――――」
明人は右手で巴の頭を鷲掴み、無理やり自分と目線を合わせた。
「いった! なにすっ──」
「後悔しても遅いからな」
巴は文句を言おうと明人を見たが、それより右目の五芒星が視界の全て覆ってしまう。そのまま、気を失うように瞳を閉じた。