想妖匣-ソウヨウハコ-
次の日の昼休み、朱里はウキウキとした表情でお昼ご飯の準備をしていた。
「今日も風間先輩と食べるの?」
「うん、昨日約束したから」
お弁当を持って青夏の所へ急ぎ足で向かう彼女だったが、向かう途中で窓の外に目を向け足を止めてしまう。
「あれ。あの人って、江梨花先輩と青夏先輩?」
青夏の方は朱里の居る角度だと背中を向けているため顔が見えないが、江梨花の方はしっかりと見える。
江梨花は頬を淡く染めすごく楽しそう話しているため、朱里は二人から目を離せないでいる。すると、不意に江梨花が彼女の方に目線を向けた。そのため、二人の目線が交わう。すると──
「えっ」
江梨花は青夏の影に隠れるよう半歩横にずれ、その時に彼は腰を曲げ彼女に顔を近付けた。
まるで二人がキスでもしているように、朱里の角度からは見えていた。
「どっ、ういうこと?」
疑問と困惑で頭がいっぱいになり立ち尽くしてしまった朱里は、ずっと二人を見続けてしまっている。
青夏が腰を伸ばすといきなり江梨花が朱里の方に顔を向け、勝ち誇ったような笑みを向けた。
「今日は、屋上に行くのやめた方がいいかな。多分、居ないよね」
薄い笑みを浮かべ、彼女は来た道を戻り教室へと入って行った。
「今日も風間先輩と食べるの?」
「うん、昨日約束したから」
お弁当を持って青夏の所へ急ぎ足で向かう彼女だったが、向かう途中で窓の外に目を向け足を止めてしまう。
「あれ。あの人って、江梨花先輩と青夏先輩?」
青夏の方は朱里の居る角度だと背中を向けているため顔が見えないが、江梨花の方はしっかりと見える。
江梨花は頬を淡く染めすごく楽しそう話しているため、朱里は二人から目を離せないでいる。すると、不意に江梨花が彼女の方に目線を向けた。そのため、二人の目線が交わう。すると──
「えっ」
江梨花は青夏の影に隠れるよう半歩横にずれ、その時に彼は腰を曲げ彼女に顔を近付けた。
まるで二人がキスでもしているように、朱里の角度からは見えていた。
「どっ、ういうこと?」
疑問と困惑で頭がいっぱいになり立ち尽くしてしまった朱里は、ずっと二人を見続けてしまっている。
青夏が腰を伸ばすといきなり江梨花が朱里の方に顔を向け、勝ち誇ったような笑みを向けた。
「今日は、屋上に行くのやめた方がいいかな。多分、居ないよね」
薄い笑みを浮かべ、彼女は来た道を戻り教室へと入って行った。