シンデレラは、ここにいます。〜オレの推しの推し〜

バイト辞めたなら…

ヒマなら…

なんで来ねーの?



トントン…



「憂?」



「謙士?」



「うん…入っていい?」



「うん…」



声は普通

いつもと変わらない



気がする



そっとドアを明けたら

ベッドの上に憂がいた



「憂、具合悪いの?」



「ん…?なんで?」



来ないし

寝てるから…



憂を覗き込んだら

オレがあげたガラスを覗いてた



「邪魔しないで…」



憂が言った



邪魔…って何が?



やっぱりこの前のこと根に持ってる



「謙士、邪魔…」



言い方まで真似しなくても…



「この前は…ごめ…」



「じょーくんが見えない」



あー…なんだ…



憂は壁に貼ってある
じょーくんのポスターを見てた



相変わらずじょーくんか…



スミマセンね!



憂の視界から外れて座った



じょーくん見るために

そのガラス買ったわけじゃないから!



じょーくん見てうっとりするために

バイト辞めたのかよ!



< 103 / 193 >

この作品をシェア

pagetop