シンデレラは、ここにいます。〜オレの推しの推し〜
「ただいま」
「おかえりー!!!」
「な、なに?
テンション高くね?」
「当たり前よ!
だって
NIGO!の年越しライブ当選したのよ!
きゃー♡♡♡
どーしましょ♡♡♡」
「それは良かったね…」
テストのこと怒られなそう
しかも静かな年末年始を過ごせる
「ねえ!憂ちゃん行かないかな?
さっそく聞いてみなきゃ!」
「え、憂も誘うの?」
「うん
だって憂ちゃんもずっと行きたがってたもん」
「やー、それはそぉだけど…
もぉファン辞めただろ
別に誘わなくても…」
「あ、憂ちゃん?
NIGO!の年越し当選したーーー!!!」
もぉ電話してるし…
行かないよな?
憂
もぉ、じょーくんのことなんか…
「え、謙士?
うん、いるよ…
今帰ってきた…
ちょっと待ってね…
…
憂ちゃんが謙士に代わってだって!」
「え、オレ?」
「うん…」
渡されたスマホに耳を当てた
「もしもし…」
「謙士…?」
「うん…」
スマホから憂の声がした
ドキン…
憂と電話で話すの初めてかも…
なんか近くて緊張する
「年越しライブ、行ってもいい?」
「え、なんでオレに聞くの?」
「ん…」
ドキドキ…
ドキドキ…
あ、もしかして気にしてる?
オレがヤキモチ妬くとか
「別に…憂が行きたければ、行けば…」
「ん…」
「行きたいんだろ…憂」
憂、行くの?
「謙士、怒ってる?」
「別に…
オレたち、そーゆー関係じゃないし…」
そーゆー関係
付き合ってるわけじゃないし…
後ろに母親がいたから言えなかった
「ん…」
憂、察したよね?
ちょっと言い方キツかったかな?