シンデレラは、ここにいます。〜オレの推しの推し〜
「もっと好きになった…
…
謙士のこと…」
「は…?」
今、なんて?
オレ?
「じょーくんに
ちゃんと、サヨナラってお別れしてきた」
え、なに?
「謙士に片想いしてた私を支えてくれたのは
じょーくんだから…
…
ありがとう
それから、サヨナラ…って」
憂の勘違い片想いだけどね
「これで、ちゃんと
じょーくんのファンを引退しました」
喜んでいい?
「おつかれ…」
「それだけ?」
だってあからさまに喜ぶのもダサいし…
「それだけ…
他に…なんか?」
「もぉ!いいや…」
憂がオレに背を向けた
憂
かわいいな
オマエ
憂の小さい背中を抱きしめた
「…なに?」
「ん?ハグ…」
「なんの、ハグ…?」
「おつかれさま、憂…のハグ…」
憂が甘く香った
憂が熱くなったのがわかった
ドキドキ…
ドキドキ…
「おかえり、憂…のハグ…」
憂の首元に顔を埋めた
ドキドキ…
ドキドキ…
聞こえるのは
どっちの鼓動かな?
「憂、好きだよ…のハグ…」
ドクン…
憂が振り返ろうとした
「こっち見んな!
今、オレ、ヤバイから…」
ドキドキ…
ドキドキ…
「憂…もぉちょっと待っててね
絶対、約束守るから…」
憂の耳元で言った
「うん…」
憂は
ちゃんとオレの元に帰って来てくれた
ちゃんとオレを待っててくれてる
だからオレも
引退まで頑張るから
ちゃんと見ててね
憂
最高のファンサするから