シンデレラは、ここにいます。〜オレの推しの推し〜
「謙士〜!
シャワーいいよー」
「あー、あーうん…
じゃ、オレもシャワーするわ」
「はー、よかったな…♡」
「え?なにが?」
「じょーくん♡」
「あー…まだ言ってんの」
いい加減ウルサイ
「友達だったら一緒に盛り上がれるのに
謙士だと気持ちが共有できなくて
つまんない!」
ムカ!
「それは、悪かったね!」
「じょーくんかっこよかった♡
思い出すと、ドキドキする
謙士のママに電話しよっかな…」
「あー、じょーくんじょーくんて
ウザ!
どこがいんだよ!
こんな遠くまで…」
「ちょっと友達にLINEしてるから
静かにしてよ!謙士」
ムカ、ムカ…
「オイ…
オレだって来たくて来てないからさ!
無理矢理連れて来られて
見たくもない男共見せられて
気持ちの共有なんてできるわけねーだろ!
キャー♡キャー♡キャーキャー♡
うるせんだよ!
あー、耳鳴りがする!
一生アイツらの心なんてゲットできるわけ
ねーだろ!
芸能人は所詮一般人なんて
どんなに可愛くても相手にするわけがない!
住む世界が違うんだよ!
憂だってオレの気持ちわかんねーだろ!」
「…」
え、なんで泣きそう?
「や、ごめん…
正直にオレの感想言っただけだから…
…
オレもなんか疲れてさ…」
じょーくんが好きな気持ちは
共有できないよ
だって
ライバルみたいなもんじゃん
住む世界が違うとか
バカみたいなこと言った
ただじょーくんと憂の
世界を分けたかった
「ライブのチケット取るの
どれだけ大変かわかる?
…
何個もファンクラブ入ってさ
そのためにバイトして
やっと当選して…
やっと行けるのに…
…
それだけ貴重なんだよ
…
それでも会いたいし…
…
どんなに頑張っても
手が届かない人だってわかってるけど
ファンとして
じょーくん応援していきたいと思ってるの」
知らねーし…
「ごめん…よくわかんないけど
…
オレもシャワーして来る」