シンデレラは、ここにいます。〜オレの推しの推し〜
2周目
「謙士、見て見て!」
憂が景色を指差して言った
「うん…見てる」
オレは憂だけ見てる
憂しかいなくていい
憂も見てよ
オレのこと
アイツのことなんて
もぉ考えんなよ
憂の手を掴んだ
「謙士…?」
憂がオレを見た
やっと見てくれた
「憂…」
掴んだ憂の手
青い指先
青が見えなくなるくらい
強く握った
「謙士…どーしたの?
高いとこ、苦手だった?」
「憂…
今日は、オレの好きにしていいの?」
「…うん…なに?…謙士…」
憂の唇にオレの唇が触れそうなくらい
近付いた
ドクン…
「憂…いいの…?」
「…ん…?」
憂がそっと目を閉じた
ドクン…
ホントにいいの?
オレに聞いた
ダメ
ダメだろ
憂から離れた
ドキドキ…
ドキドキ…
ドキドキ…
何してんだろ
オレ
「憂、睫毛ついてる…」
憂の頬をはらった
「ん?…ありがと…」
かわいすぎて
手が震えた