シンデレラは、ここにいます。〜オレの推しの推し〜
憂に背を向けて腕立てした
「用がなければ帰れよ」
恥ずかしくてそう言った
「もぉ!謙士!」
「わあ!やめろよ!!!」
今度はオレの背中に乗ってきた
「いいじゃん、別に…
前もこーやって負荷かけてやってたでしょ」
オレの背中に憂の身体の感触と
体温が乗る
いや、ダメだろ…
いろいろ
1〜
2〜
3〜
…
ドキ…
ドキ…
ドキ…
回数より
オレの鼓動が早くなった
そのまま床にうつ伏せたら
憂もオレの背中に乗ったまま動かなくなった
ドキドキ…
ドキドキ…
ドキドキ…
心臓だけ動いてる
どんな体勢だよ
ヤバいって
憂
前も…って言うけど
アレから何年経ってる?
「憂…
下りて…」
ドキドキ…
ドキドキ…
「…ヤダ…」
ドキドキ…
ドキドキ…
「憂…」
「ヤダ!」
「重いから下りろつってんの!」
「謙士がダイエットなんかしなくていいって
言ったんじゃん!」
言ったけど…
「とにかく下りろ…
邪魔するな!」
ゆっくりオレの背中が軽くなった
「手伝ったのに…
謙士のバカ!」
憂が部屋から出て行った