エリート御曹司の秘書兼、契約妻になりました
帰宅して軽くシャワーを浴びた後、社長室で散々堪えた劣情を晴らすように、俺は叶未を抱いた。
パーティーでは動物の仮装をしていた俺たちだが、なにも着ていないほうがよっぽど動物的で、素直で、自分の欲に忠実だった。
はじめはじゃれ合うように叶未の肌に触れ、彼女がくすぐったいと笑う声が、徐々に湿り気を帯びてきた頃、敏感な部分を集中して可愛がってやる。
そして叶未の心も体もがすっかり蕩けた頃、俺はあたたかな彼女の中へと入り、甘い吐息をこぼしながら、シーツの上で彼女の手を握る。
と、その時。彼女の右手人差し指に、絆創膏が巻かれていることに気がつく。会社にいる時は気が付かなかった。
「ここ、どうしたの? 怪我?」
すり、と指で撫でてやると、叶未は一瞬、動揺したかのように瞳を揺らした。しかし、直後には何事もなかったかのように笑い、口を開く。
「ささくれが剝けてしまって」
「そうか。せっかく綺麗な手なのに。今度、ハンドクリームをプレゼントしよう。気に入ってるオーガニックブランドがあるんだ」
「ありがとうございます」