エリート御曹司の秘書兼、契約妻になりました
ふわりと微笑んだ叶未に安心し、さっき一瞬見えた動揺は気のせいだと結論づける。
それより、指先の怪我の痛みなどどうでもよくなるくらい、甘い快楽に溺れさせたい。
「どういたしまして。でも叶未、こっちは、保湿の必要なんてないね?」
ゆっくり、かきまわすように腰を動かし、叶未の耳元で意味深に囁く。
「い、意地悪、言わないでください……」
「だって本当のことだろう? ほら、この音」
勢いよく肌をぶつけるのと同時に、ふたりの間で弾ける淫らな音を聞かせる。叶未が切なくも艶っぽい声をあげ、俺の背中にしがみつく。
「うん、そのまま掴まってて。……ちょっと、激しくするよ」
「え、そんな、ダメ……んっ」
戸惑う彼女の唇を塞ぎ、舌を絡めて呼吸を奪う。
叶未と全身で繋がっている今、俺がどれだけ幸せかわかっている……?
際限なく募っていく恋情にまかせ、俺は叶未を激しく攻め立てる。それでも伝え足りない感情をなんとか形にするために、彼女のやわらかく白い肌の何か所かにキスマークを残した。
「ねえ、叶未」
濃密な時間を過ごした後。甘い気怠さと眠気に包まれながら、裸で寄り添ったままの彼女にふと話しかけた。
「なんですか?」
「叶未が俺を宝石に例えるとしたら、なに?」
「えっ?」