エリート御曹司の秘書兼、契約妻になりました
「そんなに驚く? きっときみに似合うよ」
「いえでも、こんな短いスカート……」
普段は通勤服でも私服でも、せいぜい膝が覗く程度の丈のスカートしか穿かない。
でも、この衣装では、おそらく太股が半分くらい見えてしまう。女子高生の頃だって、そんなにスカートを短くした覚えはないのに。
「着てくれないの?」
あまり気が進まないなと思いながら衣装を眺める私に、大和さんが甘えた声でぽつりと呟く。思わず彼の顔を見上げると、甘い垂れ目がねだるように私を見つめている。
うう、ダメだ……私はこの目に弱い。
「わ、わかりましたよ。でもパーティーの日、一度きりですよ」
「ありがとう。叶未ならそう言ってくれると思ってた」
パッと破顔した彼の眩しい笑顔に、胸がきゅんと鳴る。
この表情を見られただけでも、よしとしよう……。だいぶ恥ずかしい衣装だけれど、大和さん自ら私のために選んでくれたものだしね。
なんとか自分を納得させ、ウサギの衣装は一旦クローゼットにしまう。それからは、お互い自分の持ち場に戻り、それぞれの作業に精を出した。