エリート御曹司の秘書兼、契約妻になりました

「あの、大和さんは……」
「うん」

 紅蘭さんとはどういうお付き合いを? どれくらいの期間交際していたんですか?

 告白はどちらから? 彼女のどんなところに惹かれたんですか?

 聞きたいことはたくさんあるけど、それを聞いて私はどうするの? そんなことより、もっと根本的な疑問があるでしょう、彼に対して。

 私はごくっと喉を鳴らし、おずおず彼を見つめた。

「私のこと、どう思っていますか?」
「どう、というのは?」

 私の真意を計りかねているように、大和さんが聞き返してくる。でも、これ以上わかりやすく聞いてみる勇気なんてない。

〝私のこと、好きですか?〟

 本当は、ストレートにそう聞いたらいいのに。否定されるのが、怖くて……。

 適当な言葉が見つからずに口ごもると、大和さんの大きな手がスッと顔の脇に差し込まれる。そのままくいっと優しく顎を持ち上げられ、大和さんは顔が近づけてきた。

 至近距離で瞳を覗かれ、唇同士が触れそうな距離で彼が囁く。

「もっとワガママになってほしいなって、思ってるよ」
「ワガ、ママ……?」

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