エリート御曹司の秘書兼、契約妻になりました

「違わ……ない、です」

 顔が沸騰するような感覚を覚えながら、本心を打ち明けた。

 大和さんは「よくできました」と私の頭を撫で、またギュッと私を抱き寄せる。それから耳元で内緒話のように囁いた。

「ねえ叶未。……今夜は俺のベッドにおいで」

 その吐息は熱を帯びていて、あり得ないくらいに心臓がジャンプする。

 これって、もしかして夫婦の営みに誘われている……?

 片想いしか経験のない私にはあまりにハードルの高いお誘いに、すぐには返事ができずに固まる。大和さんはそんな私の反応になにか察したらしく、少し体を離して私の顔を覗いた。

「もしかして、初めて?」
「は、はい」
「そうか……叶未の体を隅々まで知り開発できるのは、後にも先にも俺だけ……。うん、悪くない」

 大和さんは独り言のように呟き、勝手に納得している。

「や、大和さん?」
「心配しなくても、きみが苦痛を感じるようなやり方はしないと誓うよ。俺を信じて?」

 真摯な眼差しに見つめられ、迷いを断ち切った私はこくんと頷いた。

 大和さんなら、信じられる。大好きな人だもの。だから、夫婦になったんだもの。

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