エリート御曹司の秘書兼、契約妻になりました
「叶未、痛くない?」
「平気です。大和さんが、ここにいる。……そう思うと、不思議だけどうれしい」
彼の全部が入ったところで、おへその下に触れながら、そう言って笑う。
大和さんはたまらなくなったように私に抱きついて、こめかみにチュッとキスをすると、耳元でため息をつく。
「……かわいすぎる。ゆっくり、動かして大丈夫?」
「はい、たぶん」
「ありがとう。でも、やばいのは逆に俺の方かもな……」
大和さんはそう言うと、一瞬葛藤するかのような表情になった。そしてキョトンとする私に気付くと、軽く自身を抜きかけて直後にぐっと腰を押しつけて言った。
「大好きって言ったんだよ。……好きだから、気持ちよすぎて持たないって」
余裕のない掠れ声で告げられ、胸がきゅんと鳴る。私も、好きって言いたい。
大和さんにはとっくにバレているけれど、さっきはちゃんとした言葉で伝えられなかったもの。
「私も好きです、大和さん。……初めてが大和さんでよかった」
広い背中に手を回し、ギュッとしがみつく。するとそこにびっしり浮かんだ汗で指が滑り、一生懸命に私を求めてくれている彼の気持ちが伝わって、さらに愛おしさが増す。
「うれしいけど……絶対、俺の方が好き」
「嘘です。私の方が」
「じゃあキスして、叶未。俺にいっぱい、好きって伝わるように」
私は迷わず目を閉じて、彼の唇に自分のそれを重ねた。
大和さんとの初めての夜はそんなふうに更けていき、虫歯になりそうなほど甘い会話に、数えきれないほどの口づけ。そして蕩けるような快感に溺れた、極上の時間だった。