好きになればなるほど好きになる♡
「彼女ですけど」
「……」
黙った先輩の周りにいる他の人達が
「柳瀬類の彼女だって!」
「お前、相手が柳瀬類じゃ勝ち目ないって!」
と、口々に言い出した
しーんと静まり返る廊下
「……め、めんどくせぇ」
声をかけてきた先輩は
聞こえるか聞こえないかぐらいの声でそう言うと
みんなを連れて逃げるようにその場を立ち去った
先輩達がいなくなって
また一気に静かになる廊下
さっきまではナンパしてきた先輩達に
みんなの視線が向けられていたけど
先輩達がいなくなると同時に視線は私と類に向けられた
「類くん、彼女いたんだ……」
「何となく分かってたけど、ショック〜……」
「あの子って、類くんの幼馴染みの子じゃない?」