俺と妻と傷口
「もう!リップ、取れたじゃん!」
そう言って、ポーチを取り出す華恋。
「ごめん……」
「奏多、こっち向いて?」
「え?」
「奏多の口唇についてるの!私のリップ。
拭かなきゃ!」
そう言って、丁寧に拭いてくれた。
ホテル会場に着いて、中に入る。
「遅かったな。奏多、華恋くん」
「お義父様、すみません。遅くなりました」
「やっぱさすがだな……」
「え?」
「君は綺麗だ……」
「おい!親父!!」
「フフ…お前も相変わらずだな(笑)」
「会長、社長も、こちらへ。」
「あぁ」
「奥様は袖の方でお待ちください」
「はい」
親父と壇上に上がる。
親父が挨拶をしている間、俺は華恋を見ていた。
予想はしていたが、社員は親父でなく華恋を見ていた。
その中に城野もいた。
見てすぐにわかった。
あぁ……やっぱり好きなんだと。
「では、新社長の奏多様ご挨拶を…」
「………」
「おい!奏多!」
親父が、耳打ちする。
「え…あ、わりぃ」
「奏多、挨拶だ」
「あぁ」
挨拶をしている間も、城野から目が離せなかった。
ここで挨拶した内容も覚えていない位に。
傷口が………痛んだ気がした━━━━━
「華恋」
「奏多!お疲れ様。緊張した(笑)?」
「全然」
「そう?そんな風に見えなかったな」
俺は今まで暴走族の総長として、この社員達じゃ比にならない位束ねていたから。
そう言って、ポーチを取り出す華恋。
「ごめん……」
「奏多、こっち向いて?」
「え?」
「奏多の口唇についてるの!私のリップ。
拭かなきゃ!」
そう言って、丁寧に拭いてくれた。
ホテル会場に着いて、中に入る。
「遅かったな。奏多、華恋くん」
「お義父様、すみません。遅くなりました」
「やっぱさすがだな……」
「え?」
「君は綺麗だ……」
「おい!親父!!」
「フフ…お前も相変わらずだな(笑)」
「会長、社長も、こちらへ。」
「あぁ」
「奥様は袖の方でお待ちください」
「はい」
親父と壇上に上がる。
親父が挨拶をしている間、俺は華恋を見ていた。
予想はしていたが、社員は親父でなく華恋を見ていた。
その中に城野もいた。
見てすぐにわかった。
あぁ……やっぱり好きなんだと。
「では、新社長の奏多様ご挨拶を…」
「………」
「おい!奏多!」
親父が、耳打ちする。
「え…あ、わりぃ」
「奏多、挨拶だ」
「あぁ」
挨拶をしている間も、城野から目が離せなかった。
ここで挨拶した内容も覚えていない位に。
傷口が………痛んだ気がした━━━━━
「華恋」
「奏多!お疲れ様。緊張した(笑)?」
「全然」
「そう?そんな風に見えなかったな」
俺は今まで暴走族の総長として、この社員達じゃ比にならない位束ねていたから。