俺と妻と傷口
傷口
朝食中。
「最近、傷口どう?痛まない?」
「うん、大丈夫」
「よかったぁ」
「その話はなしって約束じゃん!」
「うん、でも私のせいだし…」
「華恋!」
「あ。ごめんね…それも言わない約束だよね…」
そう━━━━━
俺の胸には、大きな傷がある。
華恋を守ってできた傷だ。
華恋と出逢ったのは、俺が16の時だ。
当時華恋は俺の親父の会社で、秘書として働いていた。
俺はある暴走族に所属していて、この時は幹部だった。
ある日の親父の会社のパーティーを荒らしてやろうと仲間を連れ、パーティーに乗り込んだ。
パーティーはぐちゃぐちゃになり、親父の面目丸つぶれ。
楽しかった━━━━━━
俺は親父にかなり反発していて、会社に乗り込んだり、色々迷惑をかけていた。
どうせいつかは継がないといけないのなら、やりたいようにしたかったから。
パン━━━━━━!!!!
「は?」
一瞬……何が起きたか、わからなかった。
俺は華恋に平手打ちされたのだ。
「あなた、最低です!こんなこと!」
「あ?なんだよ、お前!」
「あなたにとってはただの食事会のようにしか見えないでしょうけど、あなたのお父様にとっては大切なパーティーです!
高校生にもなって、そんなことも判断できないんですか?」
初めてだった━━━━━━
この俺に意見する人間は、暴走族の総長くらいだったから。
親父でさえ、俺を怖がりあまり怒られたことがない。
それなのに、こんな俺の身体の半分位しかない小さな女に、こんな大勢の前で。
それがあまりにも心にグサッと刺さり、この時一気に華恋に心奪われたのだ。
一目惚れと言っていいと思う。
「最近、傷口どう?痛まない?」
「うん、大丈夫」
「よかったぁ」
「その話はなしって約束じゃん!」
「うん、でも私のせいだし…」
「華恋!」
「あ。ごめんね…それも言わない約束だよね…」
そう━━━━━
俺の胸には、大きな傷がある。
華恋を守ってできた傷だ。
華恋と出逢ったのは、俺が16の時だ。
当時華恋は俺の親父の会社で、秘書として働いていた。
俺はある暴走族に所属していて、この時は幹部だった。
ある日の親父の会社のパーティーを荒らしてやろうと仲間を連れ、パーティーに乗り込んだ。
パーティーはぐちゃぐちゃになり、親父の面目丸つぶれ。
楽しかった━━━━━━
俺は親父にかなり反発していて、会社に乗り込んだり、色々迷惑をかけていた。
どうせいつかは継がないといけないのなら、やりたいようにしたかったから。
パン━━━━━━!!!!
「は?」
一瞬……何が起きたか、わからなかった。
俺は華恋に平手打ちされたのだ。
「あなた、最低です!こんなこと!」
「あ?なんだよ、お前!」
「あなたにとってはただの食事会のようにしか見えないでしょうけど、あなたのお父様にとっては大切なパーティーです!
高校生にもなって、そんなことも判断できないんですか?」
初めてだった━━━━━━
この俺に意見する人間は、暴走族の総長くらいだったから。
親父でさえ、俺を怖がりあまり怒られたことがない。
それなのに、こんな俺の身体の半分位しかない小さな女に、こんな大勢の前で。
それがあまりにも心にグサッと刺さり、この時一気に華恋に心奪われたのだ。
一目惚れと言っていいと思う。