俺と妻と傷口

｢あなた方は、奏多達みんなのこと、何にも知らないじゃないですか！
なのに見た目だけで、よくそんなこと言えますね？
確かにみんな気に入らない時、手を出すこと多いけど、見た目も怖いけど、しっかりみんなあなた方と同じように、社会人として仕事を立派にしてます！｣
｢………｣
｢それに奏多達は、嫌がる女性を無理やり誘うような、汚いことしませんけど？
あなた方の、よ、う、に！！
あなた方の方が、よっぽど卑怯です！！｣
｢なんだよ！！お前！言わせておけば……｣
男が華恋に掴みかかった。

｢おい！俺達のどこが、卑怯なの？｣

｢え？
あ…奏多…！｣
｢てかさ、女に手を出すお前は卑怯じゃないの？｣
｢え？｣
｢その…手だよ！！！｣
｢華恋ちゃんの手だよ！！｣

俺達はみんな怒りで、震えていた。

｢華恋、おいで？｣
｢うん！｣
｢華恋、このお兄さん達と話をして来るから、友達とここで待ってて！｣
｢え？もういいのに…｣
｢ダメだよ！華恋ちゃん！コイツ等、華恋ちゃんに手ぇ出したしね！｣
｢力弥くん？｣
｢華恋ちゃん！嬉しかった！さっきの言葉！ありがとね！｣
｢だから、俺達にも守らせてよ！｣
｢翼くん、政樹くん｣
｢俺達も！｣
｢みんな……。
わかった｣

俺達は男達を連れ、人気のないとこに移動した。