俺と妻と傷口
「好き勝手言ってくれたな、お兄さん達」
「だ、だってそうじゃん…今だって……」
男達はさっきの華恋への態度とは、正反対にびくびくしている。

「情けねぇ……」
「お兄さん達の方が、確実に年上だよな?俺達より…」
翼、政樹が言う。

「なんかよ…華恋ちゃんの方が、よっぽど度胸あるよな…!」
と力弥。
「フフ…確かに。奏多を殴ったもんな!」
と翼。
「あれは、今考えてもスゲーよ!奏多を殴るって俺達、誰もできねぇよ……!」
政樹が言う。
「まぁな(笑)あれは、ビックリした…!」

あんな小さな身体で、真っ直ぐ俺を見上げ叱った、華恋。
俺は一瞬で心奪われた。


「とりあえず、どうしようか?お兄ーさん?」
「金!!金ならいくらでも……」
「はぁぁ?バカにしてんのか!?お前等」
信じらんねぇ。
大の大人が言うことかよ!?

「てか、俺等誰も金に困ってねぇよ!
奏多は会社社長、俺はバー経営。
翼はホスト経営、政樹は建設業の責任者。
あと、コイツ等もそれなりにいい仕事してるぜ!」
力弥の言葉に、心底驚いている男達。

「もういいや!情けなさすぎて、こっちがバカみたいだし……」
「だな(笑)もう行こうぜ!」
「早く、華恋ちゃんのとこに行こう!」
「浴衣姿もっと見てぇし!」


「見せねぇよ!!」
「えーーー!!」
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