俺と妻と傷口
「んーやめ……離、し…て…」
「止まんね……」
ドン━━━━!!!
「やめて下さい!!」
買い物袋も落ち、中身がバラバラだ。
傘も転がって、二人ともびしょびしょになっていた。
「どうして…こんな………」
「ごめん……
……でも、ずっと好きだったから……。華恋ちゃんが入社した時から。
……なんで、アイツなの?」
「え?」
「アイツは会社をめちゃくちゃにしようとした男だよ?
確かに、社長業も文句ないくらい完璧にこなしてる。
でも、それは会長がいたからだろ?
俺達みんな、毎日必死に頑張ってやっとここまでやってきたのに……」
「…………」
「それに、アイツの嫁ってだけで、今までたくさん辛い思いだってしてきたじゃん!俺はずっと見てきたからわかる。
それに秘書の仕事も、ほんとは続けたかったんじゃないの?
でも、アイツが辞めさせたんだろ?」
「それは……」
「なんで、俺じゃダメなの?アイツと何が違うの?」
「城野さんがダメなんじゃありません」
「え…?」
「よくそう言われるけど、あなた方がダメなんじゃなくて“奏多”がいいんです。
人を好きになるってそうでしょ?
他の誰でもない、奏多がいいんです。
それ以外、理由はありません」
「そっか…そうだよな……。
俺も、華恋ちゃんがほしいから……。他の女性をって考えても、華恋ちゃんと比べてる……。
ごめんね…こんな酷いこと………」
「………もう、いいです…」
私はゆっくり、落ちた買い物した物を拾う。
果物が、道路に落ちていた。
それを拾いに向かう。
その時だった━━━━━━
プップーーーーー!!!!
「華恋ちゃん!危ない!!」
*****華恋 side・終*****
「止まんね……」
ドン━━━━!!!
「やめて下さい!!」
買い物袋も落ち、中身がバラバラだ。
傘も転がって、二人ともびしょびしょになっていた。
「どうして…こんな………」
「ごめん……
……でも、ずっと好きだったから……。華恋ちゃんが入社した時から。
……なんで、アイツなの?」
「え?」
「アイツは会社をめちゃくちゃにしようとした男だよ?
確かに、社長業も文句ないくらい完璧にこなしてる。
でも、それは会長がいたからだろ?
俺達みんな、毎日必死に頑張ってやっとここまでやってきたのに……」
「…………」
「それに、アイツの嫁ってだけで、今までたくさん辛い思いだってしてきたじゃん!俺はずっと見てきたからわかる。
それに秘書の仕事も、ほんとは続けたかったんじゃないの?
でも、アイツが辞めさせたんだろ?」
「それは……」
「なんで、俺じゃダメなの?アイツと何が違うの?」
「城野さんがダメなんじゃありません」
「え…?」
「よくそう言われるけど、あなた方がダメなんじゃなくて“奏多”がいいんです。
人を好きになるってそうでしょ?
他の誰でもない、奏多がいいんです。
それ以外、理由はありません」
「そっか…そうだよな……。
俺も、華恋ちゃんがほしいから……。他の女性をって考えても、華恋ちゃんと比べてる……。
ごめんね…こんな酷いこと………」
「………もう、いいです…」
私はゆっくり、落ちた買い物した物を拾う。
果物が、道路に落ちていた。
それを拾いに向かう。
その時だった━━━━━━
プップーーーーー!!!!
「華恋ちゃん!危ない!!」
*****華恋 side・終*****