癒しの君と炎の王 2～炎の王は癒しの娘をさらに溺愛中～
結婚式まであと9日


シャーシャーシャー

メイドのアンが勢いよくカーテンを開ける音で、ソフィアが目覚めると、なぜかベッドにいた。

あれ？確か昨晩はソファで勉強していたのに…。

上半身を起こしたソフィアにアンが気づくと、

「ソフィア様、おはようございます！本日も忙しくなりますよ！」

と、言った。

「おはよう、アン。私昨晩はソファで眠ってしまったみたいなんだけど、朝起きたらなぜか寝台にいて…。」

「ああ、それならきっとロエル様ですよ。ソフィア様がソファーで眠ってしまわれたので起こしたのですが、全然起きなくて。それでメイド長に相談に行ったらちょうどハリス様もいらして。ハリス様がお運びしますってなって一緒に部屋に戻ってきたら、お部屋からロエル様が出て来たのをお見かけして。案の定、ちゃんと寝台まで運んでくださってましたよ。」

その言葉を聞いてソフィアは青くなりながら、頬に手を当て、

「ええ？！ロエルに？！どうしよう…寝顔を見られるなんて！しかもソファーで眠ってしまって。絶対だらしがないと思われたわっ！」

「大丈夫ですよ。ロエル様はそんな風に思ったりしませんよ。」

「で、でも…。」

「ささっ、早くお着替えになってください。お式まで日にちがありませんから、今日も忙しくなりますよ！」

「…分かったわ。」

と、後悔の念に推されながらソフィアは寝台から降りると着替えを始めた。
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