カタブツ竜王の過保護な求婚
しかし、ルルベラにレイナの気持ちが理解できるわけもなく――そもそもするつもりもなく、怒りのままに立ったままのレイナに向かって持っていたティーカップを投げつけた。
「さっきから何なの!? 私に口答えするのは許さないって言ったわよね? あなたは妹でもなんでもないの。ただの居候でしかないんだから、こんなときくらいこの国の王女である私のために役に立ちなさいよ」
「……申し訳ありません」
「はあ? 聞こえないわ。それに、さっきからあなたずっと立って私を見下ろしているんだけど、何様なの?」
「申し訳ありません!」
「ちょっとぉ。大きな声を出さないでよ、うっとうしい」
レイアは膝をついて頭を下げたが、ルルベラは許してくれそうにない。
そんな姿を見て、ルルベラの侍女たちはくすくす笑っている。
「ああ、もういいわ。あなたの顔をこれ以上見ているだけで不快だから」
言いながら、ルルベラは犬でも追い払うように片手を振る。
レイナは内心で安堵しながら、できる限り低い姿勢でルルベラの前から去ろうとした。