カタブツ竜王の過保護な求婚

 レイナは心配でたまらず何度かお見舞いを申し出たが、残念ながら叶うことはなかった。
 陛下は意地っ張りだから弱っているところをお見せしたくないのよ、と王妃は言い、親子って変なところが似るのよねぇ、と笑うのだが……。


(やっぱり陛下は、私のことが受け入れられないんだわ……)


 初めて対面した時からずっと、ジナフ王はいつ会っても、眉間にしわを寄せた厳めしい顔をしていた。
 ジェマが言うには、笑うこともよくあるそうなのだが、一度も目にしたことはない。
そのジェマも、今回は会うことを許してもらえないらしい。

 レイナは大きくため息をついて、窓の外を見た。
 ここのところ、王都はずっと雨模様が続いている。じめじめとした空気が心まで重くしているようだった。


(南方地域ではフロメシア絡みの火種がくすぶっているそうだし、心配は尽きないわよね……)


 今さらではあるが、国内外の情勢については、かなりの興味をもって勉強している。


(……とにかくわたしがこの国にいるのは、フロメシアとの懸け橋になるため。ちゃんと役目を果たさないと!)


 最近は城の者たちもレイナを気遣い、敬意を以って接してくれている。


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