カタブツ竜王の過保護な求婚
2
レイナは力が抜けたようにごろりとベッドに倒れ、目を閉じた。が、やはり眠れそうにない。
あまりにも多くのことが一度に起こったせいで、まだ混乱している。
落ち着いて考えようとしてもどうも上手くいかない。
今回のことが早く露見したのは、レイナからの手紙を受け取ったノーラが不審に思い、決死の覚悟で王妃に奏上したことで発覚したのだった。
ちょうどそのとき、カインが国王夫妻の部屋のバルコニーに竜の姿で降り立ち、人間の姿に変わって飛び込んできたらしい。
驚き腰を抜かしたノーラを気遣う暇もなく、カインは手紙を見るとすぐに恵みの園へと向かったそうだ。
むむっと眉を寄せ、寝返りを打とうとしたその時、人の気配を感じてはっと目を開けた。
「すまない、起こしてしまって」
「い、いいえ! あ、あのお仕事は?」
「大方は片付いたよ」
結局、カインはレイナを部屋まで送り届けると、後始末へと戻っていっていたのだ。
ベッドのすぐそばに立っていたカインは、慌てて起き上がろうとしたレイナに手を貸すと、そのまま引き寄せ抱きしめた。