カタブツ竜王の過保護な求婚


 レイナは力が抜けたようにごろりとベッドに倒れ、目を閉じた。が、やはり眠れそうにない。
 あまりにも多くのことが一度に起こったせいで、まだ混乱している。

 落ち着いて考えようとしてもどうも上手くいかない。
 今回のことが早く露見したのは、レイナからの手紙を受け取ったノーラが不審に思い、決死の覚悟で王妃に奏上したことで発覚したのだった。

 ちょうどそのとき、カインが国王夫妻の部屋のバルコニーに竜の姿で降り立ち、人間の姿に変わって飛び込んできたらしい。
 驚き腰を抜かしたノーラを気遣う暇もなく、カインは手紙を見るとすぐに恵みの園へと向かったそうだ。
 むむっと眉を寄せ、寝返りを打とうとしたその時、人の気配を感じてはっと目を開けた。


「すまない、起こしてしまって」

「い、いいえ! あ、あのお仕事は?」

「大方は片付いたよ」


 結局、カインはレイナを部屋まで送り届けると、後始末へと戻っていっていたのだ。
 ベッドのすぐそばに立っていたカインは、慌てて起き上がろうとしたレイナに手を貸すと、そのまま引き寄せ抱きしめた。


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