カタブツ竜王の過保護な求婚
レイナの息が止まる。
だがそれは、カインの腕が力強さよりも、しっかりした抱擁に高揚したせいだ。
「本当に、無事でよかった……」
「カイン様……」
「ずっと、心配で心配で気が変になりそうだった。計画を黙っていたことを今さら後悔してもどうにもならないが……本当に……すまなかった」
誰もいない、二人きりになった今、カインは心からの想いを吐露した。
ずいぶん遠回りさせてしまった騎士から手紙を受け取り、目を通した瞬間、レイナの身に危険が迫っていることを知った。
こんなことなら、出発前に全てを――今回の計画も自分の気持ちも打ち明けていればと後悔したが遅かった。
「い、いいえ。わたしは……こうして、カイン様が無事にお戻りになっただけで、すごく……すごく嬉しいです」
ぎゅっとカインに抱きついて、涙に濡れた声でレイナは今の気持ちを素直に口にした。
ずっと不安で怖かった。もう大丈夫だと、誰かに――カインに言って欲しかった。
カインはレイナのまなじりに浮かぶ涙をすくうように唇を寄せると、淡く染まった頬に口づけ、そして柔らかな唇にキスをした。