カタブツ竜王の過保護な求婚
しかし国王である父に逆らうこともできず、無力な自分に苛立ちを募らせていたが、ある日こうして中庭を見下ろしたレグルは地味な姿で庭仕事をするレイナを見つけたのだった。
どうやらレイナは王宮内よりも外で過ごすほうが好きらしい。
地味な姿で楽しそうに庭仕事をするレイナを何度か見かけたレグルは、ついに行動を起こして遠乗りに誘った。
それ以来、公務での外出以外はできるだけレイナを連れて出るようにしていた。
レイナは王宮を離れるとよく笑う。
そんなレイナをあまり縛り付けないような気のいい男の許に嫁にやり、早く王宮を出してやりたいとは思っていた。
とはいえ、レイナも王女であることに変わりはない。
さらにはレグルにまだそこまでの発言権はない。
悩んでいたところに父王が周辺諸国と同盟を組み、愚かにもユストリスに侵攻を開始したのだ。