カタブツ竜王の過保護な求婚
どうやらカインも同じようで同時に吹き出した。
笑い事ではないことも、これからもたくさんの厳しい現実が待っていることもわかっている。
それでもこのひと時が二人の距離をぐっと縮めたことは確かだった。
「さて……本当はまだまだ話したいことはあるが、明日のためにももうお互い休まなければいけないな。明日には本格的にレイナからも事情を聴かなければならないだろう」
「――はい」
名残惜しいが、もうかなり夜も更けている。
ベッドから立ち上がったカインに続いてレイナも立ち上がろうとすると、押しとどめられてしまった。
そのままカインはレイナの唇に唇を重ねた。
それはレイナには慣れない大人のキス。
「私たちにはこれからたくさんの時間がある。私は楽しみにしているよ」
「わ、私もです!」
ぼうっとしてしまっていたレイナは、あまりに嬉しい言葉にまた勢いよく答えてしまった。
カインは優しく微笑み、そっとレイナの頬に触れてから去っていった。