カタブツ竜王の過保護な求婚
「でも何より、今回の私たちの計画によって、レイナを危険な目に遭わせてしまったことを謝罪したいと。もちろんそれで許されるわけはないが――」
「いいえ、そんなことはありません!」
カインの言葉を遮って、思わず否定したレイナは、小さく息を吸って続けた。
「わたしはフロメシアの王女として、この国に、カイン様の許に嫁いで来ました。ですから、フロメシアの王女として望まれる役目はちゃんと果たすつもりです。ですがそれは全て、この国の、ユストリス国王太子であるカイン様の妻だからです。わたしは少しでもカイン様の力になりたい、この国のために役に立ちたいんです。それなのに、今回は危うくわたしがみんなの計画を台無しにするところでした。……ごめんなさい」
この騒動で気付いたこと、気付かされたこと。
今までずっと、みんなに大切に守られて暮らしてきた。
妾腹の姫と嘲られることはあったけれど、アンヌたちはいつも優しかった。
それなのに、自分自身に拗ねていた。自分から幸せを遠ざけていた。
でもこれからは素直になりたい。みんなと一緒に幸せになりたい。レイナができる限りの全てで。