カタブツ竜王の過保護な求婚
「……レイナ、そうじゃない。やはり今回のことで非があるのは私たちの方だ。だが、これ以上はお互い謝罪しあってばかりになる。だから、もうやめよう」
そう言って微笑んだカインは、すぐにその笑みを悪戯っぽいものに変えた。
「それでも、父上からの謝罪は受けてあげてくれ。そうしないと、きっと父上は酷く落ち込むだろうから」
「落ち込む……」
「父上は感情の起伏が激しいんだ」
愛情を込めたため息を吐いて、カインは立ち上がった。
「さあ、行こう」
「ですが、このままでは……」
食事は終わっていたが、王に謁見する装いではないことに、レイナはためらった。
すると、カインはまた悪戯っぽく笑った。
「気にする必要はない。私たちはもう家族なんだから」
「――はい!」
嬉しい言葉に、レイナは元気良く答えて、差し出されたカインの手を取った。