カタブツ竜王の過保護な求婚


 フロメシアでの滞在期間は四日。
 あの中庭でのことがあって、レイナは翌日はずっと客間で過ごしていた。
 しかし前王妃――ルルベラの母親から出発前にと、お茶会に招待されたため断ることもできず、最終日は部屋から出なければならなかった。

 それどころか確実にルルベラと顔を合わせなければならない。
 憂鬱な気分をカインに悟られないようにしてまた会談へと送り出すと、レイナは一人で昼食をすませた。

 とはいえ、緊張で食事はほとんど喉を通らない。
 それから心配するノーラやアンヌに大丈夫だと伝え、支度をして招待されたサロンへと向かう。
 明日には王宮を発つのだから嫌みに耐えるのもこれで終わり。

 そう自分に言い聞かせてレイナは一度深呼吸をし、会場へと入っていった。
 ところがそんな決意はいらなかったほど、お茶会でレイナは無視されていた。
 誰もレイナに話しかけようとしないのだ。

 そればかりかあからさまに避けられている。
 普通ならば嘆くべきなのだろうが、レイナは逆にほっとしていた。

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