シークレットベイビー② 弥勒と菜摘
✴︎
朝の眩しい光。
窓から新鮮な空気が入ってくる。
弥勒はパルにエサをやり、やっぱり7時に起きてきた一子に朝ごはんを作り、それを見ながら自分は水を飲んでいた。
櫂が気にして様子を見に来た時も、弥勒は椅子に座っていた。足元で一子とパルが寝転びながらじゃれている。菜摘はまだ、起きてきていなかった。
「その。大丈夫だったか? 」
「まあ、ね」
と指で髪をすく。
「でも誠心誠意つくした、やりきった、かな」
と笑った顔が大人っぽくて、男の色気の滲ませており、櫂ですらドキッとした。
「逆だったら」
と弥勒が言った。
「菜摘に触れていた男がもしいたなら、
まあ、犯罪が起こるよ」
だから菜摘の痛みは消えないだろう
そしてオレも痛い
こんなふうに痛みをかかえて、生きていくんだな
痛くて愛しい
愛してるからこんなにも痛い。
謝るのも違う、なじるのも、自己嫌悪も違う
全く真摯な気持ちで共に生きていく。
「知らなかったな。こんな⋯⋯ 」
と弥勒は誰にともなく言った。それから、櫂に、
「お前も気をつけろよ」
と言った。
✴︎
この助言が本当に櫂の身に降りかかるのは、数年後のことだろう。
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朝の眩しい光。
窓から新鮮な空気が入ってくる。
弥勒はパルにエサをやり、やっぱり7時に起きてきた一子に朝ごはんを作り、それを見ながら自分は水を飲んでいた。
櫂が気にして様子を見に来た時も、弥勒は椅子に座っていた。足元で一子とパルが寝転びながらじゃれている。菜摘はまだ、起きてきていなかった。
「その。大丈夫だったか? 」
「まあ、ね」
と指で髪をすく。
「でも誠心誠意つくした、やりきった、かな」
と笑った顔が大人っぽくて、男の色気の滲ませており、櫂ですらドキッとした。
「逆だったら」
と弥勒が言った。
「菜摘に触れていた男がもしいたなら、
まあ、犯罪が起こるよ」
だから菜摘の痛みは消えないだろう
そしてオレも痛い
こんなふうに痛みをかかえて、生きていくんだな
痛くて愛しい
愛してるからこんなにも痛い。
謝るのも違う、なじるのも、自己嫌悪も違う
全く真摯な気持ちで共に生きていく。
「知らなかったな。こんな⋯⋯ 」
と弥勒は誰にともなく言った。それから、櫂に、
「お前も気をつけろよ」
と言った。
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この助言が本当に櫂の身に降りかかるのは、数年後のことだろう。
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