シークレットベイビー② 弥勒と菜摘
✴︎
亜紀は高校2年生になった。
言い合った日から櫂は一言も菜摘さんに話さくなり、もう一年になる。
でも家には来るから、菜摘さんもわざと何もないように、ごく普通に接していた。
亜紀が家に来ている時。
櫂も来る。
無言で部屋の向こうの方にいて、勉強していたり、パソコンを見てたりするのだった。
ただ、時々、亜紀は櫂が自分を見ているような気がして、ふと彼を見る。
彼はすっと目を逸らして知らん顔をする。
飲み物を持っていった。
櫂は黙って受け取った、でも、コップを渡す時、ちょっと、ほんのちょっと、指先が触れた。
あ、久しぶりの櫂くんだ。
視線が絡まった。
櫂くんは、何か言いたそうにしてる⋯⋯ よね、私も言いたい事がある、どうしてたの? 何を思ってる?
何年分も、何年分も、私は話したい事があるよ
「⋯⋯ 」
「⋯⋯ 」
上手く言葉にならない。
苦しく、もどかしく、自分の中で気持ちがいっぱいになる。亜紀はキュッと下唇をかんだ。
けど、櫂も話したかったんじゃないかと亜紀は思いたかった。
亜紀は高校2年生になった。
言い合った日から櫂は一言も菜摘さんに話さくなり、もう一年になる。
でも家には来るから、菜摘さんもわざと何もないように、ごく普通に接していた。
亜紀が家に来ている時。
櫂も来る。
無言で部屋の向こうの方にいて、勉強していたり、パソコンを見てたりするのだった。
ただ、時々、亜紀は櫂が自分を見ているような気がして、ふと彼を見る。
彼はすっと目を逸らして知らん顔をする。
飲み物を持っていった。
櫂は黙って受け取った、でも、コップを渡す時、ちょっと、ほんのちょっと、指先が触れた。
あ、久しぶりの櫂くんだ。
視線が絡まった。
櫂くんは、何か言いたそうにしてる⋯⋯ よね、私も言いたい事がある、どうしてたの? 何を思ってる?
何年分も、何年分も、私は話したい事があるよ
「⋯⋯ 」
「⋯⋯ 」
上手く言葉にならない。
苦しく、もどかしく、自分の中で気持ちがいっぱいになる。亜紀はキュッと下唇をかんだ。
けど、櫂も話したかったんじゃないかと亜紀は思いたかった。