モブで地味子な私を、超イケメン男子が、かまってかまって溺愛中!

第11話「呼び出し」

 女子10対男子10、計20人の集団デートは大が付く好評だった。

 なので、『再度の開催(かいさい)』を望む声が大きく……
 私は女子側の窓口役、白鳥礼華さんから熱心に頼まれて、成瀬君と相談した。

 お願いすると……
 
「ゆい、任せろ!」

 元気な返事が返って来た。
 嬉しい事に、成瀬君は笑顔で快くOKしてくれたのだ。

 なんやかんやで調整が付き……
 今度はおしゃれな港町(みなとまち)縦浜(たてはま)』で開催される事となった。

 でも、参加メンバーは大きく変わった。
 やはりというか、前回の噂を聞き、女子の参加者が殺到した為である。
 その数何と、50人。
 
 でも、さすがに50人は多すぎる。
 女子が『全員参加』というわけにはいかず、
 雑誌のプレゼントみたいに抽選(ちゅうせん)にまでなった。
 
 男子側との兼ね合いもあり……
 結局参加人数は、女子側は申し込み半分の25人、男子は20人という事となったのである。
 
 当日。
 おしゃれな雰囲気の中で行われた、2回目の集団デートも大好評。
 
 ボウリングのスポーツ企画、素敵なランチ企画、雑貨ショッピング企画等盛りだくさん。
 すぐに3回目の企画立案希望の声があいついだ。

 この集団デートは、基本的に成瀬君が企画していたけど……
 私も彼と相談したり、お店の予約とか、現場でもいろいろお手伝いした。
 なぜか、成瀬君、女子の幹事役は私をが指名したから。

 え?
 成瀬君とは、どこで相談したのかって?
 そんなの決まってる。

 成瀬君と会うのはいつも学校の屋上。
 「ランチを食べながら」なのである。
 結果、この3か月間、成瀬君とは毎日ランチをともにしたのだ。

 こうなると、私と彼は『親友』に近いノリ。
 完全にざっくばらんに話せるようになった。

 え?
 そこまで親しくなったら、いっそ成瀬君と付き合えばって?

 いやいや!
 ダメダメ!

 私は『身のほど』をわきまえている。
 成瀬君と私は、まったく釣り合わないもの。

 だって!
 成瀬君はモテモテの超イケメン。
 テストは学年でいつも5番以内、野球部ではエースで4番。
 『モブで地味子の私』は完全に、アウトオブ眼中でしょ。

 え?
 じゃあ、他に彼氏は出来たかって?

 残念!
 見事、生まれてから14年『彼氏いない歴』がまだまだ継続中。

 いいのいいの。
 私は高望みしない。
 以前のボッチ状態に比べたら、友だちもふえたし、バッチリ青春しているから!
 
 ちなみに、やはりというか、参加している女子達はあくまで成瀬君が『大本命』みたい。

 だけど……
 他の男子達もけっこうカッコ良かった。
 だから自然のなりゆきで、何組か、カップルが出来たらしい。

 そんなある日の夕方……

「ゆい、良いかな?」

「えっと、何?」

「ちょっと相談があるんだけど……帰り、お茶しない」

 ひどく真剣な表情の白鳥さんから、私はお茶に誘われたのである。
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