モブで地味子な私を、超イケメン男子が、かまってかまって溺愛中!
第16話「俺ひとりで言うよ」
「ゆい、ありがとう、彼女になってくれて」
「私の方こそ、彼になってくれてありがとう」
お昼休みがもう少しで終わる……
私と成瀬君は、陽が「さんさん」とふりそそぐ屋上で、手をつないで座っている。
今日のランチはいつもとはまったく違うランチとなった。
私達は、単なる友だちではなくなったのだ。
もっと近しい関係となった。
まだ第一歩を踏み出したばかり。
だけど、ふたりで手を取り合って歩いて行く。
これからは、ずっとふたり……何となくそんな気がした。
「ゆうま……うう、すぐに名前で呼べないよ。ご、ごめんね!」
「ははは、いいさ、俺をどう呼ぶなんて論点はそこじゃない」
「わお! 論点って、成瀬君、むずかしい事言うんだね」
「ははは、たまにね」
成瀬君は微笑むと、ひどく真面目な顔となった。
何を考えているのか、私にはすぐ分かった。
「白鳥さん……ケアしないとな」
「うん……彼女、成瀬君の事好きだって……」
「うん、雰囲気見て、そしてランチに混ざりたいと言われて分かった。告白されるんだなって」
「………………」
「でも、俺はゆいが好きだ。もしも白鳥さんから告白されても当然断る、ゆいの目の前でな」
「それって……白鳥さんがダメージ大きい……」
「ああ、白鳥さんはとても傷つくだろう? だから先手を打った」
「先手……そっか」
ようやく分かった。
私は記憶をたぐった。
あの時、成瀬君はあえて「大事な」を強調したのだ。
成瀬君は更に私へ言う。
「何回も、話しているから分かる。白鳥さんは鈍い子じゃないと思う。ゆいに大事な大事な話があると強く言ったから、俺の気持ちに気付いているはずだ」
「え、ええ……」
「後で白鳥さんには、直接俺から言うよ。俺の方が好きになって、告白し、ゆいと付き合う事になったって」
「成瀬君」
「俺、最初から今日、告白するって決めていた。これは本当の事。だから、白鳥さんの告白は関係ないんだ。それも言うつもりさ」
「私は……一緒に、話した方がいいのかな?」
「いや、俺ひとりで言うよ。その方がいいと思う」
成瀬君はそう言うと、私の手を「きゅっ」と握り、にっこりと笑ったのである。
「私の方こそ、彼になってくれてありがとう」
お昼休みがもう少しで終わる……
私と成瀬君は、陽が「さんさん」とふりそそぐ屋上で、手をつないで座っている。
今日のランチはいつもとはまったく違うランチとなった。
私達は、単なる友だちではなくなったのだ。
もっと近しい関係となった。
まだ第一歩を踏み出したばかり。
だけど、ふたりで手を取り合って歩いて行く。
これからは、ずっとふたり……何となくそんな気がした。
「ゆうま……うう、すぐに名前で呼べないよ。ご、ごめんね!」
「ははは、いいさ、俺をどう呼ぶなんて論点はそこじゃない」
「わお! 論点って、成瀬君、むずかしい事言うんだね」
「ははは、たまにね」
成瀬君は微笑むと、ひどく真面目な顔となった。
何を考えているのか、私にはすぐ分かった。
「白鳥さん……ケアしないとな」
「うん……彼女、成瀬君の事好きだって……」
「うん、雰囲気見て、そしてランチに混ざりたいと言われて分かった。告白されるんだなって」
「………………」
「でも、俺はゆいが好きだ。もしも白鳥さんから告白されても当然断る、ゆいの目の前でな」
「それって……白鳥さんがダメージ大きい……」
「ああ、白鳥さんはとても傷つくだろう? だから先手を打った」
「先手……そっか」
ようやく分かった。
私は記憶をたぐった。
あの時、成瀬君はあえて「大事な」を強調したのだ。
成瀬君は更に私へ言う。
「何回も、話しているから分かる。白鳥さんは鈍い子じゃないと思う。ゆいに大事な大事な話があると強く言ったから、俺の気持ちに気付いているはずだ」
「え、ええ……」
「後で白鳥さんには、直接俺から言うよ。俺の方が好きになって、告白し、ゆいと付き合う事になったって」
「成瀬君」
「俺、最初から今日、告白するって決めていた。これは本当の事。だから、白鳥さんの告白は関係ないんだ。それも言うつもりさ」
「私は……一緒に、話した方がいいのかな?」
「いや、俺ひとりで言うよ。その方がいいと思う」
成瀬君はそう言うと、私の手を「きゅっ」と握り、にっこりと笑ったのである。