モブで地味子な私を、超イケメン男子が、かまってかまって溺愛中!
第19話「予想外」
放課後の午後3時すぎ……
私と成瀬君は屋上にいた。
当然ながら、白鳥さんはいない。
いいえ、来ない……
「白鳥さんへ話し合おうって伝えたんだけど……断られたよ、きっぱり」
「まあ、そうだろう。もしも来たって、白鳥さんが一番望む結果は、絶対に得られないから」
成瀬君も私と同じ考えだった。
渋い表情の成瀬君は唇を固くかみしめ、肩をすくめた。
「仕方がない。俺たちはどうする事も出来ない」
私には、もうひとつ気になっている事があった。
「ええっと、白鳥さんへ告白した成瀬君の友だちは?」
「同じさ。俺たちではどうしようもない。なるようにしかならない。下手に何かやれば、それこそ余計なおせっかいになってしまうよ」
「そうだよね……」
私が力なく同意すれば、成瀬君は心配そうに私を見る。
「ゆい」
「なあに?」
「俺はお前の方が気になるよ」
「気になる? 私が?」
「白鳥さんはクラスの女子のリーダーだろ?」
「確かにそうだけど」
「白鳥さんがどんな性格なのか、俺には分からない」
「それって」
「もしも白鳥さんが、今回の件でゆいを逆恨みして、彼女を中心にクラスの女子が結束したら、ゆいは『ぼっち』になっちまうぞ」
成瀬君が心配してくれるのはとても嬉しい。
でも……よくよく考えたら、以前と変わらなくなるだけ。
そんなの全然平気だもん。
「あはは……元々、私はぼっちだったから、元に戻るだけだよ」
「無理に強がるなって! 全然平気じゃない、何かあったら俺に言え! 頼れ! 絶対に守ってやるからな!」
「あ、ありがと!」
嬉しかった!
また成瀬君を好きになった。
心と心の距離が近付いた気がする。
そうだ!
元になど戻らない。
私はもうぼっちではないのだから。
成瀬君がいる!
私には信じられる好きな人がいるのだ。
しばらく手をつないでいた。
だが、
キンコンカンコーン!
校内のチャイムが鳴った。
「ゆい、時間だ。俺そろそろ練習が始まるから行く。また明日な」
「うん……私、しばらく屋上にいるよ」
成瀬君は笑顔で手を振り、階下への出入り口へ消えて行った。
手を振っていた私は、小さく息を吐いて、空を見上げた。
ランチの時は真上からさんさんと射していた陽の光が、西から斜めに私を照らしていた。
しばらく「ぼ~っ」としていたが、このままこの場にいても仕方がない。
成瀬君の練習は午後7時近くまでかかる。
午後7時は私の門限。
だからまた明日のお昼にランチをしよう。
そして週末は私の方から誘って、ふたりでどこかへ遊びに行こう。
私はゆっくり立ち上がる。
その時だった。
「ゆいっ!」
屋上に大きな声が響いた。
この声は、聞き覚えがある。
私が階下につながる屋上の出入り口を見やれば……
予想外の人物が立っていた。
階段を急いで駆け上がって来たのだろう。
来るはずがないと思っていた……白鳥さんが荒い息をして、私をじっと見つめていたのである。
私と成瀬君は屋上にいた。
当然ながら、白鳥さんはいない。
いいえ、来ない……
「白鳥さんへ話し合おうって伝えたんだけど……断られたよ、きっぱり」
「まあ、そうだろう。もしも来たって、白鳥さんが一番望む結果は、絶対に得られないから」
成瀬君も私と同じ考えだった。
渋い表情の成瀬君は唇を固くかみしめ、肩をすくめた。
「仕方がない。俺たちはどうする事も出来ない」
私には、もうひとつ気になっている事があった。
「ええっと、白鳥さんへ告白した成瀬君の友だちは?」
「同じさ。俺たちではどうしようもない。なるようにしかならない。下手に何かやれば、それこそ余計なおせっかいになってしまうよ」
「そうだよね……」
私が力なく同意すれば、成瀬君は心配そうに私を見る。
「ゆい」
「なあに?」
「俺はお前の方が気になるよ」
「気になる? 私が?」
「白鳥さんはクラスの女子のリーダーだろ?」
「確かにそうだけど」
「白鳥さんがどんな性格なのか、俺には分からない」
「それって」
「もしも白鳥さんが、今回の件でゆいを逆恨みして、彼女を中心にクラスの女子が結束したら、ゆいは『ぼっち』になっちまうぞ」
成瀬君が心配してくれるのはとても嬉しい。
でも……よくよく考えたら、以前と変わらなくなるだけ。
そんなの全然平気だもん。
「あはは……元々、私はぼっちだったから、元に戻るだけだよ」
「無理に強がるなって! 全然平気じゃない、何かあったら俺に言え! 頼れ! 絶対に守ってやるからな!」
「あ、ありがと!」
嬉しかった!
また成瀬君を好きになった。
心と心の距離が近付いた気がする。
そうだ!
元になど戻らない。
私はもうぼっちではないのだから。
成瀬君がいる!
私には信じられる好きな人がいるのだ。
しばらく手をつないでいた。
だが、
キンコンカンコーン!
校内のチャイムが鳴った。
「ゆい、時間だ。俺そろそろ練習が始まるから行く。また明日な」
「うん……私、しばらく屋上にいるよ」
成瀬君は笑顔で手を振り、階下への出入り口へ消えて行った。
手を振っていた私は、小さく息を吐いて、空を見上げた。
ランチの時は真上からさんさんと射していた陽の光が、西から斜めに私を照らしていた。
しばらく「ぼ~っ」としていたが、このままこの場にいても仕方がない。
成瀬君の練習は午後7時近くまでかかる。
午後7時は私の門限。
だからまた明日のお昼にランチをしよう。
そして週末は私の方から誘って、ふたりでどこかへ遊びに行こう。
私はゆっくり立ち上がる。
その時だった。
「ゆいっ!」
屋上に大きな声が響いた。
この声は、聞き覚えがある。
私が階下につながる屋上の出入り口を見やれば……
予想外の人物が立っていた。
階段を急いで駆け上がって来たのだろう。
来るはずがないと思っていた……白鳥さんが荒い息をして、私をじっと見つめていたのである。