モブで地味子な私を、超イケメン男子が、かまってかまって溺愛中!
第30話「びっくり、そして夢ごこち」
成瀬君の『お願い』は私のまったく想定外、驚くべきものだった。
「ゆいの書いた作品を俺はしっかりと読む。世界観も理解する。その上で、作品のイメージイラストを描かせてもらえないだろうか?」
「な、な、な、成瀬君が! イ、イ、イメージイラストっ!?」
思わず声が大きくなった私。
周囲のお客さん達の視線が私と成瀬君へ集中する。
苦笑した成瀬君は、人差し指を立て、くちびるにあてる。
「し~っ、ゆい。声が大きい」
「ご、ごめん」
あやまる私へ、成瀬君は声をひそめて言う。
「ゆいの投稿しているサイトって、イラストデータが添付できるんだろ?」
「出来るけど……びっくり。すごくびっくりしたよ」
「わるい、驚かせて、でも、ゆい……」
「……ん、うん」
「親にも友だちの誰にも言ってない。だから内緒にしてほしいんだけど、実は俺、将来イラストレーターになりたいんだ」
「イ、イラストレーター!?」
「ああ、小学校入ってから、ず~っと練習してる。最初はチラシの裏のラクガキだったけどな」
「そ、そうなんだ」
「これ見てくれ」
成瀬君が見せてくれたのは、イラストの投稿サイト。
色鮮やかなスマホの画面には、かわいらしい女の子がピンクの花いっぱいのバックの中……可愛く微笑んでいる。
またまたびっくり。
多才な成瀬君は、イラストも得意だったんだ。
そして、この女の子、見覚えがあるキャラだ。
「パソコン使って描いたんだ。俺とゆいが大好きなアニメキャラの模写だよ」
「うっわ! 上手い」
「まあまあかな。それとこういうのもある」
「おおっ」
成瀬君が次に見せてくれたのは、妖精……エルフの絵だった。
透明感いっぱいって感じ、スレンダーな美人お姉さんキャラだ。
「こんなの、どうだ?」
次は敵キャラっぽい魔物。
猿みたいなゴブリン、ブタみたいなオーク、そして怖ろしいドラゴン。
「す、すっごい!」
「最後は男子キャラだ」
最後に成瀬君が見せてくれたのは、りりしい騎士のイラスト。
「うっわ、かっこい~。少し成瀬君に似てる!」
「いやいや、かんべん。俺、こんなにかっこよくないって」
「うふふ、かっこいいよ。成瀬君は私を守ってくれるナイトだもんね」
あはは、言っちゃった。
いつもの私にはまったく似合わないセリフだ。
でもこういう甘え方も、デートらしくていい。
成瀬君もまんざらではなさそうだ。
「ははは、かっこいいナイトはともかく、俺がゆいを守るのは合ってる。という事で、どうだろ?」
「全然OK! っていうかお願い! 成瀬先生、私の作品にイラストつけてください。お願いします」
「あはは、俺は、先生じゃないけど、任せろ」
うっわ!
やったあ!
こんなに幸せでいいのかしら。
大好きな人が私の作品を読んでくれて、素敵なイラストも描いてくれる!
よ~し! 頑張るぞぉ!!
絶対に素敵な作品を書いてみせる!!
うきうき気分の私は夢ごこちで、カフェランチをむしゃむしゃ、ほおばった。
ハッピーなランチの後も、私と成瀬君は一緒にゲームを楽しんで、ふたりきりでプリクラを撮った。
最後に歩行者天国を、手をつないで仲良く歩いた。
こうして、私の生まれて初めてのデートは最高の想い出となったのである。
「ゆいの書いた作品を俺はしっかりと読む。世界観も理解する。その上で、作品のイメージイラストを描かせてもらえないだろうか?」
「な、な、な、成瀬君が! イ、イ、イメージイラストっ!?」
思わず声が大きくなった私。
周囲のお客さん達の視線が私と成瀬君へ集中する。
苦笑した成瀬君は、人差し指を立て、くちびるにあてる。
「し~っ、ゆい。声が大きい」
「ご、ごめん」
あやまる私へ、成瀬君は声をひそめて言う。
「ゆいの投稿しているサイトって、イラストデータが添付できるんだろ?」
「出来るけど……びっくり。すごくびっくりしたよ」
「わるい、驚かせて、でも、ゆい……」
「……ん、うん」
「親にも友だちの誰にも言ってない。だから内緒にしてほしいんだけど、実は俺、将来イラストレーターになりたいんだ」
「イ、イラストレーター!?」
「ああ、小学校入ってから、ず~っと練習してる。最初はチラシの裏のラクガキだったけどな」
「そ、そうなんだ」
「これ見てくれ」
成瀬君が見せてくれたのは、イラストの投稿サイト。
色鮮やかなスマホの画面には、かわいらしい女の子がピンクの花いっぱいのバックの中……可愛く微笑んでいる。
またまたびっくり。
多才な成瀬君は、イラストも得意だったんだ。
そして、この女の子、見覚えがあるキャラだ。
「パソコン使って描いたんだ。俺とゆいが大好きなアニメキャラの模写だよ」
「うっわ! 上手い」
「まあまあかな。それとこういうのもある」
「おおっ」
成瀬君が次に見せてくれたのは、妖精……エルフの絵だった。
透明感いっぱいって感じ、スレンダーな美人お姉さんキャラだ。
「こんなの、どうだ?」
次は敵キャラっぽい魔物。
猿みたいなゴブリン、ブタみたいなオーク、そして怖ろしいドラゴン。
「す、すっごい!」
「最後は男子キャラだ」
最後に成瀬君が見せてくれたのは、りりしい騎士のイラスト。
「うっわ、かっこい~。少し成瀬君に似てる!」
「いやいや、かんべん。俺、こんなにかっこよくないって」
「うふふ、かっこいいよ。成瀬君は私を守ってくれるナイトだもんね」
あはは、言っちゃった。
いつもの私にはまったく似合わないセリフだ。
でもこういう甘え方も、デートらしくていい。
成瀬君もまんざらではなさそうだ。
「ははは、かっこいいナイトはともかく、俺がゆいを守るのは合ってる。という事で、どうだろ?」
「全然OK! っていうかお願い! 成瀬先生、私の作品にイラストつけてください。お願いします」
「あはは、俺は、先生じゃないけど、任せろ」
うっわ!
やったあ!
こんなに幸せでいいのかしら。
大好きな人が私の作品を読んでくれて、素敵なイラストも描いてくれる!
よ~し! 頑張るぞぉ!!
絶対に素敵な作品を書いてみせる!!
うきうき気分の私は夢ごこちで、カフェランチをむしゃむしゃ、ほおばった。
ハッピーなランチの後も、私と成瀬君は一緒にゲームを楽しんで、ふたりきりでプリクラを撮った。
最後に歩行者天国を、手をつないで仲良く歩いた。
こうして、私の生まれて初めてのデートは最高の想い出となったのである。