モブで地味子な私を、超イケメン男子が、かまってかまって溺愛中!
第32話「白鳥さんがやって来る」
私の家は駅から徒歩10分の3LDKマンション。
両親と私の3人で暮らしている。
与えられた私の個室は録画機能のついた大型テレビ。
ラノベとマンガ、アニメのDVDでいっぱいだ。
壁には様々なポスター。
棚には、フィギュア。
まさにオタクの部屋。
私は自分の部屋を久しぶりに片づけ、そうじした。
そうお客様が遊びに来る、何と何と!
白鳥さんが私の家へ遊びに来るのだ。
え?
成瀬君は遊びに来ないのかって?
いやいや、成瀬君は『もう少し先』になると思う。
モブで地味子、生まれてからず~っと彼氏なしだった私だけど、メーカーに勤めるサラリーマンのお父さんは私の事をとても可愛がる人。
専業主婦のお母さんとは、「ゆい、お前はパパっ子だね」と良く話していた。
『娘命』の父の前にいきなり『彼氏』の成瀬君を連れて行ったら、ショックで倒れてしまうかも。
そもそも私は友だちを連れて来たのは数えるほどしかない。
中学校へ入るとほぼ皆無。
だから成瀬君を招くのは『当分』無理。
さてさて!
そんな私の家へなぜ白鳥さんが来る事となったのか?
実は私に原因がある。
先日、教室でこんな会話があった。
「ゆい」
「ん? 何、白鳥さん」
「今度の祝日、ゆいの家へ遊びに行きたい? 都合は? 成瀬君とデートは?」
「祝日は家にいる。デートはしない。成瀬君は野球部の休日練習があるって」
「よし、じゃあゆいの家へ行きたいっ! お願いっ!」
「え? そこまで言う? まあ別に構わないけど」
「やった! 成瀬君は当分、ゆいの家へ遊びに行かないって聞いたし、だったら私がゆいのオタク部屋でラノベとマンガ、アニメに染まりたいっ! 埋もれたいっ!」
「おいおい」
「おみやげに、私が買った悪役令嬢もの10冊持ってく! 貸してあげる!」
「ありがと! って、は? 10冊? 白鳥さん、確かラノベ持ってなかったよね?」
「買った! 今100冊ある!」
「100冊ぅ!?」
「うん! ここ1か月で100冊買った! もっともっと買うよ」
「はあ~、呆れた」
さすがというかやはりお金持ちの白鳥さん。
でも、いくらラノベが好きだからといって、1か月で100冊買う!?
しかし、白鳥さんは悪戯っぽく笑い、立てた人差し指を左右に振る。
「ノンノンノン。呆れたのはウチのママ」
「白鳥さんのお母さんが? 呆れたの?」
「うんっ! 娘の私からラノベを取り上げて片っぱしから読んでる。悪役令嬢、最高に面白いって」
1か月で100冊ラノベ買う白鳥さんもたいがいだが、そのラノベを取り上げる母もいかがなものか?
そう思ったが、ラノベファンが増えるのはたいへん良い事。
私は笑顔で、白鳥さんの来訪をOKしたのである。
両親と私の3人で暮らしている。
与えられた私の個室は録画機能のついた大型テレビ。
ラノベとマンガ、アニメのDVDでいっぱいだ。
壁には様々なポスター。
棚には、フィギュア。
まさにオタクの部屋。
私は自分の部屋を久しぶりに片づけ、そうじした。
そうお客様が遊びに来る、何と何と!
白鳥さんが私の家へ遊びに来るのだ。
え?
成瀬君は遊びに来ないのかって?
いやいや、成瀬君は『もう少し先』になると思う。
モブで地味子、生まれてからず~っと彼氏なしだった私だけど、メーカーに勤めるサラリーマンのお父さんは私の事をとても可愛がる人。
専業主婦のお母さんとは、「ゆい、お前はパパっ子だね」と良く話していた。
『娘命』の父の前にいきなり『彼氏』の成瀬君を連れて行ったら、ショックで倒れてしまうかも。
そもそも私は友だちを連れて来たのは数えるほどしかない。
中学校へ入るとほぼ皆無。
だから成瀬君を招くのは『当分』無理。
さてさて!
そんな私の家へなぜ白鳥さんが来る事となったのか?
実は私に原因がある。
先日、教室でこんな会話があった。
「ゆい」
「ん? 何、白鳥さん」
「今度の祝日、ゆいの家へ遊びに行きたい? 都合は? 成瀬君とデートは?」
「祝日は家にいる。デートはしない。成瀬君は野球部の休日練習があるって」
「よし、じゃあゆいの家へ行きたいっ! お願いっ!」
「え? そこまで言う? まあ別に構わないけど」
「やった! 成瀬君は当分、ゆいの家へ遊びに行かないって聞いたし、だったら私がゆいのオタク部屋でラノベとマンガ、アニメに染まりたいっ! 埋もれたいっ!」
「おいおい」
「おみやげに、私が買った悪役令嬢もの10冊持ってく! 貸してあげる!」
「ありがと! って、は? 10冊? 白鳥さん、確かラノベ持ってなかったよね?」
「買った! 今100冊ある!」
「100冊ぅ!?」
「うん! ここ1か月で100冊買った! もっともっと買うよ」
「はあ~、呆れた」
さすがというかやはりお金持ちの白鳥さん。
でも、いくらラノベが好きだからといって、1か月で100冊買う!?
しかし、白鳥さんは悪戯っぽく笑い、立てた人差し指を左右に振る。
「ノンノンノン。呆れたのはウチのママ」
「白鳥さんのお母さんが? 呆れたの?」
「うんっ! 娘の私からラノベを取り上げて片っぱしから読んでる。悪役令嬢、最高に面白いって」
1か月で100冊ラノベ買う白鳥さんもたいがいだが、そのラノベを取り上げる母もいかがなものか?
そう思ったが、ラノベファンが増えるのはたいへん良い事。
私は笑顔で、白鳥さんの来訪をOKしたのである。