モブで地味子な私を、超イケメン男子が、かまってかまって溺愛中!

第41話「サンドイッチ祭り」

 成瀬君が立てた作戦。
 3人で食べる今日のランチは、いつも私と成瀬君が食べているパン。
 それも『サンドイッチ祭り』
 ウチで用意したたくさんの食パンを切って、好きな具材をはさむのだ。

 お母さんに『サンドイッチ祭り』の了解を貰ってはいたが……
 わざと詳しい事を伝えてはいない。

「じゃあ、ゆい、始めようか」
「うんっ! 成瀬君!」

「え? 何? 始めるって? いったいどういう事?」

 ?マークが飛び交うお母さんに、私と成瀬君が説明する。

「お母さん、サンドイッチ祭りってお母さんだけじゃなく……私たち3人で一緒にサンドイッチ作るのよ」
「はい、俺、さっき揚げたばかりのハムカツ持って来ましたから。俺とゆいとお母さんの3人で美味しいサンドイッチを作りましょう」

「え? えええっ!?」

 てっきり、自分ひとり、台所で作業すると思っていたお母さんはびっくり。

「今日、お母さんも、絶対ハムカツマニアにしますから」
「うん! ハムカツマニア協会の正会員に! ちなみに私も先日遊びに来た白鳥さんも正会員だから!」

「はいいっ!? 正会員!?」

 驚き戸惑うお母さんであったが……
 実際に作業が始まるとノリノリ。

 ウチの台所は自分の『城』だから、仕切る仕切る!

「ゆい! 卵ゆでて! 成瀬君、食パン切って!」
「はい!」
「はい!」

「あ、お母さん、キャベツの千切り、俺やります。得意なんで!」
「あ、じゃあ、私、キャベツを洗うね」

「わあ、ゆい、成瀬君。あなたたち、息がぴったりね」

 そんなこんなで、準備完了。
 出来上がったのは、王道のタマゴサンド。
 ベーコン、レタス、トマトをはさんだBLTサンド。
 マカロニとキャベツを使ったツナサンド。
 ソースが香ばしい焼きそばサンド。
 いちごとはちみつを使ったフルーツホイップサンドはデザート感覚。
 
 そしてそして、成瀬君お薦めのハムカツサンドが2種類――チーズありとなし。
 本当はもっとい~っぱい作ろうと思ったけど、3人では多すぎるから。

 完成し、大皿に並べられたサンドイッチ。
 本当に美味しそう!
 さあ、ランチタイム『サンドイッチ祭り』のスタートだ。

「さあ、お母さん、無理強いするようで申しわけありませんが、ぜひハムカツサンドを一番先に!」
「私もハムカツサンドいただきま~すっ!」

「じゃあ、私、チーズ入りハムカツサンドをいただくわっ!」

 成瀬君と私に勧められ、上機嫌のお母さんはハムカツサンドをばくっと頬張った。

「おいしい~~っっ!! 私も正会員になりますねっ!」

 即座に笑顔がはじけたお母さん。
 私と成瀬君は、勝利のハイタッチを交わしていたのである。
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