モブで地味子な私を、超イケメン男子が、かまってかまって溺愛中!

第45話「共同作戦 中編」

 土曜日。
 今日は成瀬君と白鳥さんがウチへ来る日。
 
 約束の時間はこの前と同じく午前10時30分。
 今日は私と成瀬君と白鳥さん、そして私の両親と『サンドイッチ祭り』
 趣旨はお父さんへの成瀬君の紹介。
 
 この前と同じ……10時30分少し前。

 ピンポーン!
 チャイムが鳴った。
 インターフォンモニターに映っているのは……成瀬君と白鳥さん。
 そして白鳥さんを送って来た運転手の田中さん。
 打合せ通り、成瀬君が早く来て、エレベーターホールで待ち合わせしたのだろう。
 
 成瀬君、白鳥さんとは、すでに会っている。
 だから、もうお母さんは余裕だ。
 お父さんは……緊張しているのか、「そわそわ」してる。

「準備はいい? お父さん、お母さん、成瀬君と白鳥さんを迎えに行くよ」
「おいおい、ゆい! ま、ま、待ってくれ」
「お父さん、落ち着いて」

 ガチャ。
 開錠し、ドアを開ける。

 成瀬君、白鳥さん、田中さんの3人が立っていた。

「来たよ、ゆい」
「ゆい! 来たよおっ!」
 
 元気に私へあいさつした成瀬君と白鳥さん。
 ウチの両親を見て、礼儀正しくあいさつする。
 
「お母さん、先日はありがとうございました。初めまして! ゆいさんのお父さんですか? 成瀬悠真です。宜しくお願いします」
「お父様、初めまして、白鳥礼華と申します。お母様、またうかがっちゃいました。先日はありがとうございました」

 今日も成瀬君は服こそ違うが、メンズファッション雑誌から、抜け出たみたいなおしゃれな服装だ。
 そして白鳥さんも、ブランドもののワンピースをシックに着こなしていた。
 「ふたりとも、売れっ子のモデルです」と、私が言っても全く違和感がない。

「………………」
「あらあら、おふたりとも、よくいらっしゃいました!」

 固まってしまったお父さん。
 打合せ通り、余裕しゃくしゃくのお母さん。

 運転手の田中さんは以前のように丁寧に挨拶して、一旦引き上げた。

 こうして『援軍』のふたりを加え、『お父さん攻略』共同作戦は順調に進行したのである。
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