私の幼なじみ
ソラ。
俺には双子の弟がいる。
名前はウミ。
俺と違って頭がよく、落ち着いていて、
小さい頃からなんでもできる奴だった。
感情を表に出すことが苦手だから誤解されやすいけど、本当は名前のように海ぐらい広い心を持った優しい奴なんだよ。本当はバスケをしたいはずなのに途中で勉強したいからって辞めていった。俺に気を使ってるんだと思う。あいつ優しいからさ。
そして俺たちには幼なじみがいる。
名前はメイ。
俺の好きな人。
小さくて、性格も明るい。
なんだか太陽みたいな子なんだ。
好きな物はイチゴ。小学生の頃バレンタインのお返しにイチゴの刺繍がついたハンカチを渡したら今でも大切に使ってくれている。それを見る度に、嬉しくて顔がニヤニヤしてしまうが本人は鈍感なので気づいていないし、気づかれて可愛い姿を見れなくなるのは嫌なのでそのままにしている。
そういう所が好きなんだ。大好きなんだ。
でも、メイはきっとウミの事が好き。
空に太陽はあって、近いはずなのに
その愛おしい太陽に手は届かない。
ウミは俺が欲しい物を小さい頃から
全部持ってた。
勉強も出来て、落ち着いていて、
両親はウミの事をよく周りに自慢してたな…。
両親の関心はいつもウミだった。
いつからだろう、アイツと比べられるのが嫌で、
好きだった勉強に手をつけなくなったのは。
いつからだろう、
完璧をこんなにも恐れるようになったのは。
「あいつが羨ましい」
そして
「あいつが憎たらしい」